夢の中で暮らす猫
夢に出てきた猫の
ある日のお話です♪
\\ガチャ!//
「おいちゃん帰ってきたな~」
玄関まで行こうかと思ったけど
お土産がなさそうだったので
俺は頭を少しだけ上げて
口元だけで小さく「お疲れ〜」の挨拶
でも、ここ最近はどうしたことか
家にいる猫の数が急増してきた
部屋ごとに猫が埋め尽くされている感じだ
寝室のベッドには
黒い仔猫たちがひしめき合っている
せっかく俺が「ええとこあるで」と言って
この家を教えてやったのに
今では俺のテリトリーさえも
奪われそうな勢いじゃが
「これじゃあ寝るスペースもないやん!」と
おいちゃんは言いながら猫掃除を始めた
部屋から数匹追い出すと
すぐに別の猫がその場所を埋める
でも、片っ端から出していくうちに
やっと部屋の床が見えてきた
最後においちゃんが俺の方にやってきて
俺を部屋の外へ連れ出そうとする
けど、俺は思わず抵抗してしまった
「それは違うっしょ。俺って家族じゃなかったん?」
と言って、俺はテリトリーを死守するために
ソファーに爪を立てて必死にしがみついた
やがておいちゃんも疲れ果てたのか
ソファーの上でゴロンと横になった
\\やったぁ~、俺の勝ちだ//
しばらくすると、おいちゃんは
なんとパジャマ姿で
夜中にひとりで出かけていく
ちょっと面倒くさかったけど
ちょっと心配でもあったし
こんな時間においちゃんが
どこに行くのか興味津々で
俺は後を追ってみることにした
おいちゃんの足の所には
大きなふくらみがあって歩きにくそう
なんか足にくっついているのかなぁ〜?
道の先に大きなサビ猫がいて
毛づくろいをしているのが見えた
足のふくらみが、フッと消えたかと思うと
黒い固まりが一直線にその猫にぶつかって行って
猫同士の大げんかが始まった。
黒猫が絶対的に優勢だった
「もう、この辺でやめたって」って思ってたら
おいちゃんも同じことを言った
すると今度は黒猫が
俺に向かって\\シャー//っと威嚇してきた
猫の喧嘩ってだいたいゲームみたいに
楽しめることも多いけど
黒猫はマジで怒っているみたいや
こんな奴と戦っても楽しくないから
俺は急いでその場を離れておいちゃんを追った
近くの風呂屋さんにおいちゃんは入っていった
銭湯かと思っていたけど
浴槽はそんなに大きくなかった
どこかで猫の鳴き声が聞こえ
浴室のガラスに黒い影が動いている
ミャーとか言いながら
さっきのサビ猫が入ってきた
おいちゃんは心配そうに
猫を抱き上げて全身を調べたけれど
怪我一つしてないみたいだった
その後、サビ猫はおいちゃんの隣で
湯船から首だけ出して
気持ち良さげにゴロゴロ言っている
それを見ている俺も
湯船から首だけ出して目を閉じると
ほんのりと幸せな気分になってきた
いつのまにか喉からは
ゴロゴロが流れ始めていた
お読み頂きありがとうございました♪
夢日記をベースにしたショートストーリーが
他にもありますので、興味があればお読みくださいね♪