コント『結婚式場』
ゲラゲラコンテスト4応募作です。
場所-華やかな結婚式場
ツッコミ-A(下見に来た客)
ボケ-B (ウェディングプランナー)
A-えーっと、ここだな、格安で披露宴を挙げられる結婚式場。
B-こんにちは、ハッピーウェディング松月館へようこそ。
A-あ、こんにちは…。
B-私、本日、担当させていただきます、労働者です。
A-でしょうけど!労働者でしょうけど、もう少し言い方あるでしょう。
Bー失礼しました、私、本日、担当させていただきます、祝儀袋金盛と申します。
A―すげえ名前だな!この仕事するために生まれてきたみたいだ。祝儀袋さん、あの僕、今日13時からこの式場見学の予約してたんですけど。
B-あ、ご予約を!?失礼しました。それではご予約を確認しますね。ちなみにお客様、お名前は…、近所の偉いお坊さんにつけてもらったタイプですか?
A-いま、聞く必要あります、それ!?僕は佐藤です。あの、実は僕、去年まで夢を追ってバンドやっててお金がなくて。彼女は、結婚式あげなくていいよって、言ってくれてるんですけどどうしてもドレスを着せてあげたくて、格安の式場を探していて、ここを見つけたんです。
B-お客様、失礼ですが、今の話…トンチですか?
A-そう聞こえました!?ありましたかね?トンチの要素!?あの、わざわざ調べてここに来たんですよ!
B-失礼しましたー。ちなみに当館のことをお知りになったのは…テレパシーですか?
A-違いますよ!どこのエスパーですか!普通にウェディング雑誌ですよ!雑誌!
B-ありがとうございます。ウェディング雑誌をご覧になられたお客様には特典がございまして。
A-え!本当ですか!?
B-はい、何と、チャペルでの挙式料を無料とさせていただきます。
A-そうなんですか、でも僕、和風が好きなんでチャペルじゃなくて神前婚でやりたいんですよねー。
B-神前婚ですかー、それでは特典としまして、神主の年収をこっそり教えます。
A-知りたくないですよ、別に!銭ゲバじゃないんで。
B-佐藤様、神前婚をされるということは、やはり披露宴のお部屋も和風でお探しで?
A-そこは譲れないですね。
B-かしこまりました。それでは、松の間、竹の間、梅の間と3つ、おすすめのお部屋がございます。
A-はあ、なるほど。松の間はどんな部屋なんですか?
B-樹齢300年の松が部屋の真ん中にドーンと植えてあります。
A-大丈夫ですか!?個性求めるあまり、迷子になってませんか?ちょっと違うなあ。じゃあ、竹の間はどんなんなんですか?
B-いたってシンプルなのですが、テーブルクロスが竹の皮です。
A-肌触り悪い!肘置いた時とか、ジョリジョリするでしょ。んで、松竹ときて、梅の間はどんなんなんですか?
B-えー、外です。
A-外!?屋外!?
B-屋根フリーの会場となっております。
A-いや、バリアフリーみたいに!格安がすぎるでしょ、それ!ちょっと、無難に竹の間にしときます。竹の間を見せてください。
B-ではこちらのタブレットでまずご覧ください。ちなみに、来賓は何人くらいのご予定ですか?
A-80人から90人ですかね。
B-じゃあ、ちょっと、手狭かもしれませんねー。
A-あー、なら70人くらいまでなら何とか減らせますけどねー。
B-いやー、でも四畳半ですからね。
A-じゃあ、全然ムリだよ!四畳半でどうやって披露宴すんだよ。どうなってるんですかこの物件!?
B-すいませーん。当館、学生寮の居ぬき物件でしてー。
A-何を居抜いてんだよ!じゃあ、さっきの松の間みせてください!あそこは広いでしょ!
B-松の間ですね!?見てください!ほら松の木がドーン!
A-ちょっと個性がいき過ぎてるけど、まあいいや!この部屋だったら、70人は入れるんですよね?
B-がんばったらまあ…でも、松の木が大きくなりすぎて実質、使えるスペースは四畳半なんですよね。
A-間取りが死んでる!いいとこないわ、この式場。
B-しかし、佐藤さん、この松月館はオープン以来、一組も離婚カップルを出してないんですよ!!
A-え?そうなんですか?
B-そうなんです!先週水曜日のオープン以来、離婚カップルを一組も出していないんです。
A-歴史が浅い!聞いて損したわ。もう、けっこうです。
B-お待ちください!佐藤さん、あきらめられるんですか?
A-何を?
B-神主の年収です。
A-もういいよ!