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04.最強転生者、スキルの検証を行う。

 あれから数時間。

 俺は最下層をぐるぐると周回しながらスキルの検証を行っていた。


 ヘルジャミラは一定の時間が経つと復活するからそのたびに倒す必要があったが、まあこのレベルの魔物が相手なら死ぬ心配はない。


 アイテムもある程度の間隔を置けばランダムに出現するから、まさに検証にはもってこいの空間と言えた。


 その結果、判明したことがいくつかある。

 

「まずはレアリティを低くイメージすれば再現度の高い武器を作れるってことだな」


 何も考えずに《ヴァルキリーの技巧》を使用するとレアリティは高い代わりに再現度の低い武器が誕生する。


 正直これは状況によりけりといった感じだ。


 レアリティが高ければ当然武器としての性能は上がる。

 しかし、再現度が低いからすぐに武器は壊れてしまう。


(強い武器が作れるのはいいんだが長く使えないんじゃ意味はないな) 


 そのたびにアイテムを使って組み合わせるのは大きな時間のロスだ。


 次に明らかになったのは、三つ以上のアイテムを組み合わせて武器は作れないってことだ。


 《ヴァルキリーの技巧》を使うと体内で膨大なエネルギーを消費するようで、現状だと二つのアイテムで限界だったりする。


(ひょっとするとスキルレベルが上がれば、三つ以上のアイテムを組み合わせることも可能になるのかもしれないが、それを今考えたところでどうにもならない)


 あとは《ヴァルキリーの技巧》で作れるのは武器だけで防具は一切作れないってことだった。

 これは内容にもそう表示されていたし、今後も防具が作れるようになることはないと考えていいだろう。


 好き勝手武器が作れるだけでも感謝しないとな。


「……っと、またお出ましか」


 ダンジョンの通路に再びヘルジャミラの群れが現れる。


 経験値稼ぎにはもって来いの相手だが、いくら倒してもレベルが上がらない俺にとっては邪魔以外の何ものでもない。


(MPも1だから魔法も撃てないしな。物理攻撃だけで敵を倒していくしかない)


 俺は手を前にかざして意識を強く集中させた。


「〝聖具発現(マテリアライズ)〟」


 そう唱えると目の前に武器が出現する。

 同時に頭の中でステータスの確認もしておく。


------------------------------

【山賊のダガー】

〔レアリティ〕E-

〔再現度〕90%

〔攻撃力〕2500

〔必殺技/上限回数〕クロスエッジ / 3回

〔アビリティ〕攻撃強化Lv.1

------------------------------


 何度か検証して分かったことがもう一つあった。


 《ヴァルキリーの技巧》で作った武器は意識を強く集中させることで亜空間に収納することができるのだ。

 また〝聖具発現(マテリアライズ)〟と唱えると、好きなタイミングで武器を取り出すことが可能だったりする。


 ただ、武器は一つしか収納することはできないようだ。

 新たに武器を作る場合は既存の武器を放棄する必要がある。


(まあ今はこの武器でも何も問題はないな)


 【山賊のダガー】を握り締めると、俺は刃先を前方へと構えた。 


「「「ギュォオオオオオ!」」」


 いきり立つヘルジャミラの集団が大きな翼を羽ばたかせながら猛突進を仕掛けてくる。

 当然、俺はそんなもので怯んだりすることはない。


「はぁぁぁ! 〈クロスエッジ〉」


 冷静沈着に必殺技を3回撃ち込むと、ヘルジャミラの群れは悲鳴を上げながら十字に斬り裂かれた。


「レベル1の俺でも、この程度の魔物なら問題なく対処できるってことか」


 前世の剣聖としての経験が生きているのはもちろんのこと、《ヴァルキリーの技巧》で作った武器が役に立っている証だった。

 

「ひとまず【山賊のダガー】とはここでお別れだ」


 使い勝手のいい短剣だが、必殺技の上限回数をすべて使い切ってしまったので放棄することに。

 

 もちろん必殺技が使えなくなっただけで壊れない限り使い続けることもできる。

 だが、わざわざ必殺技が使えないレアリティE-の武器を持ち歩くメリットはない。

 

「アイテムならこの最下層でいくらでも拾えるからな。また新しく武器を作っておくか」


 それから俺は、さらに新たな武器を作ってスキルの検証を続けた。

 ある程度作ったところでそれは一旦やめて、上のフロアへと上がることに。


 ドラゴン神殿にはヘルジャミラ以上の力を持った敵は棲息していない。


 先手必勝で魔物を撃退しつつ、俺は難なくダンジョンから脱出することに成功した。

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