Passion
「好きだ」と言ってはいけないひとがいた。
言ってしまったらそこでおしまいだと思った。
あたしはその人と擦れ違うのを怖れた。
学校の廊下、階段、教室の中の狭い通路。
朝靄の通学路、夕焼けの帰り道。
視線を重ねることと同じくらい怖かった。
あたしの「好き」は重すぎる。
あたしの「好き」は、相手をダメにしてしまう。
でも、「好き」って気持ちを簡単に消すことは出来ないから。
せめて、あたしの胸の中だけで、「好き」を一杯にしていたい。
もしも視線が重なってしまったら、
きっとあたしはあの人を、
殴ってしまいたくなるから。
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ここから何かが始まるのかどうかもちょっと思い出の向こう側のおひとつ。
2006年頃の一本ですが、今の時代だとこれ完全にスト