折れたフラグを立て直せ
❮読者の皆さまへ、大切なお願い❯
少しでも、
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「このブタ野郎!」
と思っていただけましたら、ブックマークや評価を……
というように、ptクレクレをまさかの『前書き』に持ってくる……
これを『ptクレクレ《零式》』と名付けたいのですが如何ですかっ!?
では、本編どうぞー(笑)
悪夢の始まりの翌日。
願いも虚しく『パウロ』として目覚めた俺は、巣の……拠点なっ!拠点!
拠点の出入り口で、朝からジョウとシャールの到着を今か今かと待っていた。
パウロは郊外に豪勢な屋敷を構えているのだが、原作では夜遊びして適当に捕まえた女の家に泊まるとか、この拠点にある専用の部屋で寝るとかが当たり前だったはず。
しばらく帰らなくても問題はないだろう。
済ませられるなら屋敷の使用人達とは関わらず済ませたいしねー。
早く終わんねーかなー、この夢。
「わっ!?お、おはようございます……」
「はい!おはようさんっ!いい朝ですねっ!」
「え、ええっ!?」
次々とやってくるメンバーや、食事を作ったり掃除をしてくれたりするお手伝いさん達に元気よく挨拶を返すと、皆さん一様に当惑した顔をしてました。
パウロの普段の様子を知っているなら当然でしょうね!
でも挨拶は、特に朝の挨拶は大事ですよっ!
そうこうしている内に、ようやくやって来たジョウを見つけ……
「おはよう!ジョウくん!いい朝だねっ!」
「うわわっ!?お、おはようございます!パウロさん!」
即座に俺はその肩に手を回した。それはもう、マブダチの如く。
未だかつてない事態に、ハメ太郎(仮)くんは激しく狼狽する。
いやーしかし、この体スゲーわ。動く動く。
あんだけ寝たのに夜もまた眠れるし、若いって素晴らしいなー。
そんな風に若かりし頃を懐かしみながら、俺はジョウの肩をバンバンと叩いた。
「今日、良かったらちょっとばかり付き合って欲しいんだけど……とりあえず朝メシ食いながら話そうか?金なくて、朝はいつも女将さんのご厚意の小さなパンとスープだけなんだろ?奢るから食え食え。育ち盛りなんだしさ」
「え、ええっ!?ど、どうして知ってるんですかっ!?」
「そら原作……ゴホンッ!大事なメンバーのことくらい、それなりに知ってるさ!まぁ、小っちゃいことは気にするな!」
つい口を滑らせてしまい、笑って誤魔化しながらまたジョウの肩を叩く。
ヤベー、ヤベー。
ま、うっかり変な事を言ったとしても、コイツらは気にしないだろう。なんせ、とてつもない設定矛盾すら気にしないんだから。
その内の一つが、この後に俺達が向かおうと思っている場所である。
そこで、タイミング良くシャールも拠点に顔を出した。
「な、何をやってるんですか……?二人とも……」
「あ!お、おはようございます!シャールさん!」
「おはようさん、シャール。朝メシはもう食ったか?」
「お、おはようございます……ま、まだですけど……?」
「んじゃ、皆で食おうぜ」
困惑する少年の肩を抱き、戸惑う少女の背中を叩いて歩き出す。
このパーティーの最上位ランカーと最下位ランカーの混合編成。
そんな異常な光景に、拠点内にいる全員が唖然とした表情になっていた。
◎
この国の名は『セレンスティアル王国』。
で、《輝く翼》の拠点があるこの王都の名は『レクシオン』。
その最も近くにある、最も難易度の低いダンジョン。
それが初心者御用達でお馴染みの、言わばチュートリアルダンジョン、『アクエル』だ。
だけど、今の俺にとってはまさに魔窟。
だってオッチャン、武道の経験なんてまるでないもん。学生時代に体育で柔道をちょっとやったくらいだ。
だから俺はシャールに助力を請うた。
ただ、シャールにすがった理由はそれだけではない。俺はアクエルの場所が分からないのだ。
詳しい場所が分からない、というのもある。が、それ以上にアクエルの所在地自体が俺の中で曖昧だったのである。
言っておくが、悪いのは決して俺ではない。この物語の作者が諸悪の根源です。
この『アクエル』、原作でその名が出る度にコロコロ所在地が変わっているのだ。
最初は街の北。次は西の平野。最後は東の「危険な魔獣が徘徊する森の中」と来たもんだ。
しかも、いくら感想でツッコまれても一切修正されないまま。
『危険な魔獣が徘徊する森の中にある初心者御用達ダンジョン』って、ワケわかんないよねー。初心者行けねーじゃん。
というわけで、俺はシャールとジョウにおんぶに抱っこでついて行くことにしました。
よろしくお願いしまーす。
ちなみに、今のアクエルは街の北の森の中にあるそうです。
けど、これ……まさか本当に時期によって場所移動したりしないよな?
◎
森の中、崖にポッカリと口を開けたアクエルは、割りと原作の描写通りのダンジョンだった。
壁がうっすらと光っており、灯りがいらないくらいに明るく、ほとんど脇道らしき道もない。
そして、出てくる魔獣もスライムやゴブリンのような、所謂『雑魚敵』ばかりだった。
「はぁっ!」
短い呼気とともに一閃、二閃、三閃。
ほぼ一瞬の内にシャールが三度剣を振るうと、三体のゴブリンは斬られたことにも気づかないかのように一瞬で霧となり、石を、『魔石』を残して消滅した。
魔石をギルドに卸すと金が貰えるんだよねー、知ってる知ってる。
シャリィン……と涼やかな音色を残して剣を鞘に納めるシャールに、俺はジョウと並んで完全に観客の顔を晒し、「おおー!」と拍手を贈った。
当の彼女は、色々とあり得ない俺の様子に困惑の色をありありと見せている。
「……本当にどうしたんですか?パウロ?こんな相手、貴方なら闘気を飛ばすだけで倒せるでしょう?」
「え?無理ですけど?」という、喉まで出かけた言葉をゴクリと飲み込む。
原作では、確かにパウロは闘気とやらで敵を圧倒したり動きを封じたりしていた。
けどね?今、中身ただのオッサンよ?
ただのオッサンが体から放てるものなんて、せいぜい加齢臭で精一杯だ。
だから、俺は一応ポーズで持ってきたパウロ愛用の槍を肩に掛け、苦笑を浮かべてみせた。
戦うつもりなんてサラッサラないから防具も装備してません。
まぁそもそもパウロの防具は拠点になかったが。多分屋敷の方にあるのだろう。
「今、ちっとばかり調子が悪いんだよ。だから、本当に申し訳ないと思うんだけど、戦闘は二人に任せたいかなー、って」
「パ、パウロさん、大丈夫ですか?」
「おう、大丈夫大丈夫。ありがとなー、心配してくれて」
本気で心配してくれているであろう少年に本気で申し訳ないと思いつつ、感謝してその頭をグリグリ撫でる。
すると、シャールは優しげな微苦笑を浮かべて頷いてくれた。
「そういうことなら分かりました。任せておいてください」
「ゴメンなー。今度、何か奢るから」
「ふふっ。では、楽しみにしておきます」
あれー?普通に仲良く話出来んじゃん?
パウロのヤツ、本当にアホなんだなー。
九割は冗談のお誘いがサラリと通り、散々アピっておきながらことごとく失敗し続けていた本物のアホさ加減に改めて嘆息する。
そんな俺達の姿を見て、ジョウはオドオドと質問を投げ掛けてきた。
「あ、あの……やっぱりお二人はお付き合いされているんですか?」
「え、ええっ!?」
「ん?」
あー、そういや、ジョウはシャールに憧れてたけど、シャールとパウロが付き合ってんじゃないかとモヤモヤしてたんだっけ?
今の俺の雰囲気なら聞けそうだから、頑張って聞いてきたのかー。このおませさんめ。
意外にもシャールがあたふたしているのは、きっとジョウに誤解されたくないからだろう。
だから、妙に微笑ましい未来のカップルにオッサンは余計な気を回してあげることにした。
「あっはっはっ!ないない。全然ないよ。つーか、シャールはジョウのこと気になってんでしょ?」
「なっ!?」
「え、えええっ!?」
「違う違う」と手を振りながらの不意の一撃に、二人は一気に赤くなった。
あらあら?オイチャン、年甲斐もなくキュンキュンしちゃうわ(笑)
「パ、パウロッ!?な、何を言ってるんですかっ!?貴方はっ!?」
「わっはっはっ!照れんな照れんな。今度シャールに奢るとき、ジョウも一緒に行こーぜー。 いきなり一対一でシャールとデートするより、まずはその方が気が楽だろ?」
「デ、デデデデートッ!?そ、そんな!?ボ、ボボボボクなんかがシャールさんとデートなんてっ!?」
「なななななに言ってるんですかっ!?パウロッ!?」
ともに真っ赤になり、甲高い声で噛みついてくる少女と手遊びをしながらまごつく少年に、俺の肩は自然と揺れていた。
あっはっはっ!憧れのヒロインとくっついて、俺が「清い交際しろよー」と釘を刺しておけば、ジョウは他の女の子の誘惑を退けて『ハメ太郎』にならずに済むかもなー。
そうなれば、コイツは真っ当な英雄になれるだろう。
色を好むのはもっと大人になってからにしなさい。
「おーし。そんじゃ、行くかー」
「あうう……」
茹でダコのようになって頭から湯気を出しているジョウの肩を抱き、俺は高笑いで奥へと歩き出す。
その後ろを、すっかりキャラ崩壊したシャールがキャンキャンと騒ぎながら追いかけてくるのだった。
いやー、若いって素晴らしいやねー(笑)
❮読者の皆さまへ、大切なお願い❯
少しでも、
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「このブタ野郎!」
と思っていただ……かなくていいからpt寄越せやっ!!!
( ノシ ゜Д゜)ノシ オラー!!!
↑これを『強攻型ptクレクレ』と名付けたいのですが如何ですかっ!?
つーか、ptクレクレの本音ってコレですよね?
ptクレクレって結局のトコ、「まだ手元にpt残してる読み手」にしか意識向かってないでしょ?
それってつまり、丁寧な言葉使った所で本音は「すでに12pt吐き出してるヤツは用済み」って事ですやん。
文章の表面しか読まない(読めない)から本音見えないんでしょうかねー?
評価pt頂けるのは確かに嬉しいです。そこは嘘つかない。
ですが、それと同時に「数話で評価って早くね?」という気持ちもあります。
もっと言えば、本当の評価は完結に至ってこそ出来るものじゃないかな、とも思っています。
まぁアッシも更新止めてる話あるんで偉そうなことは言えませんが。
あれもいずれちゃんと終わらせないとなー。
というわけで……評価はともかく、まずは感想欄でやり合おうぜー(笑)
それが書き手の一番のモチベーションですわ。