第1話 平穏
どうもこんにちは、ぽむむんです。中学生です。
小説は初めて書くので、感想や意見を頂けると大変嬉しいです。まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします。
「ここが俺の通うところか。」
県立俊瑛高等学校。周りより少し偏差値の高い普通の公立校だ。改修工事が行われた1年棟だけが、異様な白さを放っていた。
「平穏に過ごせたら良いものだな。」
俺の呟きは桜の花弁と共に風にさらわれた。
◇
瞬一にとって眠くなる入学式を終え、担任を待つ間に、少しだが会話が生まれていた。
多分自己紹介でもしているのだろうが、生憎と隣の女子が居ない。初日早々、不登校だろうか?
瞬一は何もする事が無かったので、窓の外を眺めている事にした。窓側の席なので、心地良い太陽の陽気が注ぐように降っていた。
しばらくして、担任が入って来た。
「1年3組担任、龍崎 祥弘だ。1年の物理・科学を担当する。1年間よろしく頼む。」
見た感じ、30代前半で眼鏡を掛けている。髪がボサボサであまり教師っぽくない人だった。
まぁ、最近の先生はこんな感じだろう。ゆとり教育世代の奴らは精神病になりやすい、しかも自我が強いから、無駄に自分の価値観を押し付けてくるし。
瞬一は、忌々しそうに教室の窓の外を睨んだ。依然として陽気は暖かく感じられたが、教室内の雰囲気は変わりつつあった。
「それじゃあ早速だが、軽く自己紹介してくれ。」
そう言うと先生は、意味ありげに瞬一の方を見て、
「じゃあお前から。」
と言った。
先生の口元は、口角がつり上がっていて、その様子が瞬一には不気味に思えた。
「なぜ、俺なのでしょうか?龍崎先生。」
「さあ、何となく。」
先生は、さも面白そうにそう言った。
俺からすれば、超面白くないんだが。
面倒くさくなったので、自己紹介をしておく。
「えー天河 瞬一です。好きな食べ物は、まぁ甘いもの全般です。これからよろしくお願いします。」
パチパチとまばらな拍手が起こる。はい、そうですよね、面白くないもんね。
ま、目立たないように、ノーマルな感じでやったからそんな反応だと分かってたけど。
「はい、ありがとう。次は、じゃあそっちから。」
先生が指名した割には、簡素な返事で終わる。
瞬一は、「適当に生徒を指す先生はどうなんだ。」と思ったが口にしなかった。いちいち面倒なことに首を突っ込まない方が良いと、彼の中では感じていたからだ。
しかし、
次々と自己紹介が終わり、クラスメート達が会話している中、まだこっちを見ている先生が気に食わなかった。
自己紹介や学活が終わり、特にすることも無かったので、瞬一は帰路に着いた。
◇ 翌日
「おはよう、瞬一君。」
瞬一が登校して席に着くと、頭上から声が降りかかる。顔を上げると、前の席の男子が挨拶をしてきた事が分かった。
確かこいつは、、、
「佐々木 颯太だよ。よろしくね。」
ああ、そうだった。確かまだ入学したばっかなのに、イケメンだと女子達に騒がれていたな。
で、何の用だ?もしかして入学早々に目を付けられた?
「ごめん佐々木君。名前覚えるの苦手で。こちらこそよろしく。」
軽ーい感じで返して終わりですかね。てか、終わって。目立つ、超目立つ。
確かに、颯太の整った容姿は女子の注目を集める。しかも、男子からの羨望の視線も颯太に突き刺さるように集まる。
「いやいや、全然大丈夫だよ。あと、名前で呼んでくれた方が良いかな。瞬一君ともっと仲良くなりたいし。」
まぶしい笑顔と共にそう言われたら、誰もNoとは言えないだろう。だが、周囲から突き刺さる視線が痛い。登校してきた時には、2、3人だったのに今はもう20人近くいる。その中の女子達に鋭い視線いや死線を向けられるのは、かなり痛い。
「分かった、颯太君。けど、本当に良いのか?名前なんかで呼んで。」
「?全然かまわないけど。瞬一君は面白い人だね。」
いやいや、全然陰キャで準ボッチ症候群の俺だぞ。
確かに、瞬一の容姿はお世辞にも格好いいとは言えなかった。
瞬一の黒すぎて、光の反射で逆に白く見える髪だって整ってなかったし、似合っていない丸眼鏡を掛けていた。
多分、颯太は瞬一とも仲良くしようと、善意で声をかけたのだろう。しかし、彼の行為は裏目に出ていた。
まぁ、俺の席から去ったので死線も止まったので良かったが。
◇
「よう瞬一、朝から大変だな。」
軽い感じで声かけて来たのは、松村 亮太だ。昨日ラノベについて語り合った、瞬一の高校友達第1号。
「ああ、本当に大変だったぞ。お陰で、俺の精神ライフがあと一割だ。」
心臓が苦しいと言わんばかりに、胸をかきむしるまねをする。
その格好と表情が面白かったらしく、亮太はお腹を抱えて笑っていた。
「まぁ俺ラノベ貸してやるから、元気出せって。ほれ、新刊だぞ。」
最近流行りの異世界転生系のラノベを差し出す亮太。瞬一も、よくアニメやマンガ、ラノベを見たり、読んだりして、2次元をこよなく愛する部類に入る。
また、ボカロなども聞いていて、亮太との趣味にマッチしたのだった。
「お、サンキュー。これ読みたかったやつだ。あ、じゃあ代わりにこれ貸すよ。」
瞬一は鞄から、魔王が主人公の異世界系物語のラノベを取り出して、亮太に渡す。
「俺、これはアニメで見たぞ。」
しかし、瞬一は返そうとする亮太を止めて、口を開く。
「これって、アニメと原作で全然違うんよ。まぁ、アニメの方のストーリーも良いんだけど、原作の方が作者の伝えたい部分が、感情丸出しに書かれてて良いんだよ。」
何やら熱く語り出す瞬一。
その熱気に当てられて亮太も、
「何かそれ聞いたら読みたくなってきた!貸してくんね。」
目を輝かせて言う亮太。
「ああ、良いぞ。後で感想を聞かせてくれ。」
◇
こんな平穏な日常が続くと思っていた。
とある人物が来るまでは。
展開が遅くてすみません(´・ω・`)あと、とある人物は悪い人では、ありませんよ。
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