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魔法の道


さて、私は用事があるので、隣の部屋に行くわねぇ。用があるならいつでも呼んでちょうだぁい。


了解です。


----ミアの部屋----


お邪魔します。って誰もいないんだった……

(買ってきた本でも読もうかな)


王様から授かるお金はなかった認識にして、

私はとりあえずギルドでお金を稼ぐことをしなくちゃ。そのために、この世界での常識、魔法を

覚えておかなきゃ。

まずは、読んでみよう。




*魔本書記


魔法の属性について


どの種族でも基本系は以下のもので分けられている。


火 水 風 雷 光 闇


氷 木 土


これら九属性に分けられている。

基本一人ひとつの属性が使えるが、個人差によって、二~三属性まで使えたりする。



魔法習得の基本


この世界での異能力、魔法。その魔法の習得方法は、まず、自らの適正属性を調べるところから始まる。火を調べたいなら火を起こし、危険だが、直接触れる。

闇を調べたいなら部屋の電気を暗くしたり、

そして、適正なら自分自身に何かしらの鼓動を感じ、どこからか力が湧いてくる。適正だと熱い、暗闇なら暗いとは感じず、その逆は、火なら熱い、暗闇ならただ真っ暗、と人間誰しもが感じる事だけで終わり、簡単に判別でき、簡単に確認出来る。中にはどの属性にも反応がないなんて事もあり、九属性以外を使役出来ることなんてのも珍しくないので焦る必要はない。


属性ごとの確認方法


火 直接触れて熱いか熱くないか


水 生活水ではなく、自然の水を飲み、鼓動を

感じるかどうか


風 風を受け、鼓動を感じるかどうか。または、

臭いのキツイものを嗅いだりした際に抵抗

があるかないか


雷 天気が悪いときに外に行き、自分の真上が

雷雲で覆われているかいないか、

また、コンセントに触れて鼓動を感じるかどうか


光 直視しても眩しくないかどうか



闇 周りを暗くしたり、暗いとこに行き、周りが

視認出来るかどうか


氷 触って冷たいと感じるか感じないか



木 森林地帯で瞑想をし、風が吹いた際に木の葉

が体にくっつくかどうか


土 どこにでもあるただの砂、に触れてそれを

一度手で握り、手を開く、その砂が粘土

のようなものになってるかなってないか



心境の変化、もしくは元から決まっていた能力が使用できるようになる。

これらを


「変化型」、「潜在型」、といって分けられる。


*変化型は能力取得時の心境状態で決まる。

潜在型とは違って、属性や能力詳細もその場の心境で決まってしまう点。

その後、自身の心境が変化しても、能力、属性が変わることはない。


基本はここから読む事をおすすめする。


(なるほど、まずは出来る範囲で試してみよう)


火は危ないし、今は迷惑なので却下。


水雷氷木土は外出時に考える。


残ったのは 風 光 闇。


まずは闇を試してみよう。


部屋の電気を消し、どこからも光が漏れないようにカーテンで防ぐ。


これで暗くなったけど、……うーん、やっぱり

夜やった方がいいのかな……


とりあえず闇は後回しに。次は光を試すことにした。

窓を開け、沈みかけの太陽を見てみた。


くっ……眩しい!!これはだめだ……


残ったのは風。今日は晴天で風が少ない日だったが、待ってみることに。


……!!この感じ……あのときと一緒だ。

この世界にはじめて来てから受けたあの風。

あのときは別の事でビックリしたから気にしてなかったけど、これだったんだ。

(私の心境をもとに調べるのが早かったと思うけど、とりあえず一つ見つかった!)

本を見てみよう。


属性確認が済んだら、再び適正属性の鼓動を感じてみる。静かに体内に意識を集中させ、それを静かに外へ放出するイメージをする。

これをひたすら繰り返すのが基本。

個人差によって力の制御は早かったり遅かったりする。


瞑想みたいなものかな?まだ時間はあるし、やってみよう。


窓際で風を受けて静かに目を閉じ、意識を体内に集中させる。


……体に感じるこの鼓動を、力を外に……



二分後



……!!ごほっ!ごほっ!!はぁはぁ……

(集中しすぎて息を止めすぎた)

あと少しで掴めそうだけど、難しい……


ガチャっとドアの開く音がした。


黒羽?大丈夫ぅ?一体何があったのぉ?

まさか、自殺しようとしてたんじゃ……


いえ、そうではないんで、


だめよぉ!!


あ、あの大丈夫ですよ。

私はそんなことしません。


そう、なのぉ?でもあなたが抱えてるのは憎悪、拒絶。その思いが度重なって、それであなたが自殺しようとしたんじゃないかって思ったのよぉ。


確かに人との交流には……抵抗があります。

誰だっていい人じゃないですし。

まだ私自身、怖いって思います。

でも、ミアさんにもらったこの命、無下には決してしません。必ず生き抜きます!

だから……大丈夫ですよ。


あなたのそういうところが聞けてよかったわぁ。

でも、それならあなたは何をしていたのぉ?


えっと、魔法を習得しようとしてたんです。


そう、私の勘違いだったのねぇ。

適正属性の検査ってとこかしらぁ?


はい。試せる範囲を試してみたんですけど、

風が適正みたいです。風を受けて魔力の流れをコントロールしていたところです。


そう、だから窓際で苦しそうになってたってことねぇ。


はい、すいません。心配かけました。


いいのよぉ。あなたの現能力だと魔力が消費されないって後回しにした私のせいよぉ。

(私がついてないとあなたはいつ魔神の力を得るか分からないし、気を付けなきゃ)


いえ、私がつい、好奇心で行った結果です。

ミアさんは悪くないです。驚かせてすみません。


ほんとにごめんなさいねぇ。

そうそう

魔力の流れをコントロールするには日々の鍛練が必要ねぇ。ついでに言っておくけどぉ、無理は禁物よぉ?


気を付けます……

あの、そういえば私に直接会わなくても脳内で語りかければ私のこと分かったんじゃないですか?


あぁ、それねぇ。あれは「転生の杖」っていう物の一時的な効果なのぉ。転生させた生命を一日半くらい心理会話できるっていうものなのぉ。

大昔に創られたとされる代物なんだけどねぇ。

あなたを呼ぶ時にも使ったわぁ。ついでに、

出生の秘密は簡単に言うと、古の錬金術師が自分自身の「永遠の生命」というのがテーマで、研究したんだけど、結局その杖は自分に効果は発揮せず、ガイア以外の世界から生命を呼び寄せるとんでもない物を造り上げた、

っていうオチの話よぉ。

ちなみに転生は月二回っていう制限つきよぉ。

だからあなたはちょっとした運が働いたってことかしらねぇ。


なるほど……。昔からあるってことは、

私以外にも転生者は、いるって事ですよね?


そうよぉ。言ってなかったかしらぁ?


私が聞きそびれてしまっただけです。

(やっぱりいるんだ……)


覚えておいてねぇ。

さて、そろそろ夕食の時間ね。黒羽、行きましょうか。


はい。


ミアの部屋を出ると、城の使用人達が急いで様々な料理を運ぶ姿が。


何で外に料理を運んでるんですか?


グリーンラインはねぇ、一致団結を主にしているから夕食はみんなでっていうのが決まりなのよぉ。


すごいですね。私のいた国ではそんなこと絶対ないので新鮮です。でも……


そうねぇいっぱい人がいるから無理に接しなくても大丈夫よぉ。そのうち慣れていけばいいわぁ。


はい、すいません……


さ、まずはガンテツさんのところに行きましょうかぁ。


はい。




ガンテツの工房


ふぅ、今日はこんなもんか。中々難しい作業になりそうだな。


コンコンッ


ん?お客か?


ドアを開ける


ってミアさんと黒羽じゃねぇか。


どうもぉ。そろそろ夕食の時間よぉ。


わざわざどうもありがとうございます。


いいのよぉ。さて、私は夕食の手伝いをしてくるから、黒羽をお願いねぇ。


あ、はい。了解しました。


私も手伝いますよ!


大丈夫よぉ、手は間に合ってるからぁ。

また後でぇ。


まるで子供のようにスキップをし、城に向かっていく。


手は間に合ってるのにどうして行くんだろう……

それに何だか嬉しそう……?


多分あれはつまみ食いだな。何にも手伝いじゃねえと思うぞ。あの人大食いだからな。


あははっ……




「おーい」


と遠くの方からやたら低い声が聞こえる。


ん?あれは……


どうも。ちょっとぶりです。


おう!ジークじゃねぇか。お疲れさん。


お疲れ様ですジークさん。


ジークでいいですよ。黒羽。


あ、はい。了解です。


あの、二人とも飯一緒にどうですか?


もちろん構わねぇよ!


はい!


城下町の商業エリアが辺り一面人々で溢れかえる。


お祭りみたいですね。


ははっ!まあそんなとこだな!


これが毎日だから驚きですよね!


そうですね!びっくりです。


さて、バイキングエリアに行って、適当に席をとるとするか。

二人とも、席を取っておいてくれないか?飯は適当に持ってくるからよ。


「「はい」」


じゃあ、俺たちは席取りますか!


はい!





バイキングエリア


お?まだ席があるみたいだ。あそこに行きましょう。


はい。


ふぅ、ひとまず席は取れたしOKだな。


あの、

ガンテツさん一人で大丈夫でしょうか……


大丈夫だと思いますよ。それに場所なら僕がガンテツさんに連絡しておきますから。


その手がありましたね。



十分後


よう!待たせちまったな。ちょっと混んでてよ。


「「ありがとうございます」」


おうよ!

さて、食べますか。せーの、


「「いただきます」」



このグリーンラインではほぼ毎日、夜は祭り。

楽しい時間はあっという間に終わる


さて、そろそろ俺は作業に戻る。

お前らもまた明日な!おやすみ!


おやすみなさい。


頑張ってください!

よろしくお願いします!


黒羽ぁ。そこにいたのねぇ。



そこにはヨロヨロした立ち姿のミアが



あ、あの……どうしたんですか?大丈夫ですか?

(何だか酒臭い?)


ミア様!?お酒で酔ったみたいですね……

とにかくお水持って来ますからそこで待っていてくださいね。黒羽、ミア様をお願いします!


はい!



うぅ……ぎぼぢぃわるぃ……


もう少し我慢してくださいね。少ししたらお水持ってきてくれますからね。


背中をゆっくり擦る


ごめんねぇ……飲みすぎたみたい……


大丈夫ですよ。


おーい!


ジークくん!お疲れ様です。


はい、なんとか間に合いましたね。

それよりもこれ、お水です。どうぞ!!

一応袋も貰っておきました。


ありがとぉ……うぅ


ふっ、袋!!袋!!


二十分後


ふぅ……さっきよりマシになったわぁ、

ありがとぉ、ジーク。


はい!それならよかったです。

ではお城に送ります。行きましょう。


そうですね。ゆっくり休んだ方がいいですね。


そうねぇ……




お城の門にて


ミア様、どうなされたんですか?


実は、お酒を飲みすぎてしまったようで……


なるほど。二人とも助かりました。

ありがとう。

ん?

なんだ、ジークじゃないか。元気そうだな。


あ、はいお久しぶりです。そちらも元気そうで

なによりです。


お知り合いなんですか?


まぁ、そんなとこです。


ジークはねぇ、ここの元聖騎士だったのぉ。


聖騎士?しかも元って?……


ミア様、その話はお辞めください。

その話をするなら俺のいないとこでお願いします。すいません。


ごめんなさいねぇ。


いえ、では俺はここで失礼します。お大事に。

おやすみなさい……


おい!ジーク!!まて!


やめなさい。あなたも彼の立場になればああ言うはずよ。


それは……そうですね。すいません。

あいつが戻ってきてくれればって思ったんです。


そうねぇ、彼の成績なら副団長くらいはすぐ行けたかもしれないわねぇ。


惜しい人材を失いましたね……

あいつは悪くないってのに……


あの、……


ごめんなさいねぇ、暗い雰囲気にさせてしまったわぁ。彼のことは黒羽に後でゆっくり話すわねぇ。


あ、はい。とりあえず部屋に行きましょう。


そうですね、それがいい。こちらです。


彼はね、ジークの元上司なの。


だからさっきもあんな悲しい顔をしてたんですね。


そうねぇ。後で黒羽にもゆっくり話すわねぇ。



ミアの部屋


就寝、入浴の用意完了しました。

もちろん黒羽様の分もこちらに。


この部屋に初めて来たときになかったベッドが、二つ置かれていた



今日もありがとぉ、お疲れ様。


ありがとうございます。お疲れ様です。


では、失礼します。


さて、お風呂入りましょうかぁ。


はい。


服も用意してあるから大丈夫よぉ。



城の一階奥にあるちょっとした温泉施設



すごい広い……


好きに入っていいからねぇ。私は先に湯に浸かりに行くわねぇ。


あ、はい。



……ん!?

(私の能力が働いているからか最初に浴びる水の動きが不自然だった……?)





さすがにこの時間だと人もいないし、黒羽も入りやすくて丁度いいわねぇ。


……何かすいません。


なんで謝るのぉ?


私のちょっとしたトラウマに迷惑してるんじゃないかと思って……


それは違うわよぉ、黒羽。

人は誰だってトラウマの一つくらいあるわよぉ。

それに、人間関係のことならなおさらねぇ。

ジークもあなたと少し違うけど、系統は一緒のトラウマを持ってるのぉ。

ついでだから話すわねぇ。



えぇ?話して大丈夫でしょうか?


私が責任を持つわぁ。

少し重くなるから心構えはしておいてねぇ。


は、はい。








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