自身の能力(ちから)
ガンテツさんあなたはぁ、ここの兵士たちの武具点検をお願いしたくて呼んだのぉ。
あいよ、かしこまりました。まあ、代金はきっちりいただきますぞ。
もちろんよぉ!王様も承諾済みだから心配ないわぁ。
さて黒羽。あなたには少し長くなるからぁ私の部屋に来てもらおうかしらぁ。立ち話もなんだしねぇ。
は、はい!わかりました。
それでは、ガンテツ様は点検の方をよろしくお願いします。こちらです。
はいよ!
んじゃ黒羽、またあとでな!
はい!頑張ってください!
私たちも行きましょうかぁ。
(広くて迷子になりそう……)
ここよぉ。さあ入ってぇ。
失礼します。(緊張する……)
そこにはお菓子の袋がいっぱい収納されているだけのだだっ広い不思議な部屋だった。
ここに呼んだのはぁあなたの持っている能力を確認したかったのぉ。
え?能力、ですか?
そうよぉちょっとそこに立ってくれるぅ?
はい!
ん?ゴムボール?
わたしがボールを投げるけどぉ、キャッチせずにそのままでお願いねぇ。
え?あ、はい!
いくわよぉ。えい!
投げたボールは決して速くはなく、遅めだ。
……っ!!
黒羽がみたのはボールがこちらに当たることはなく、ボールは跳ね返したかのような軌道を描く光景。
やっぱりぃ。そういうことねぇ。もう少し試させてもらうわねぇ。
えっと、どういうことですか?
それは後、そのまま前向いててねぇ。
あ、はい!
ボールを投げるが、こちらも同じ結果。
うん、確定ねぇ。じゃあ話すわねぇあなたの能力について。
はい!
まず、あなたの能力についてねぇ。
あなたの死亡理由は刺殺だったわよねぇ。あなたの能力はまさにそこが発端なのよぉ。
え?そこですか?
そう、その能力はぁ、あなたが恐怖し、拒絶した。それが反射能力を発現したわけなのよぉ。
反射能力……
私の心眼で視た感じ、その反射能力、魔力消費はないみたいだけどぉ、絶対的な壁ではないわねぇ。この心眼は人の現在持ってる能力の詳細を視れる能力。この能力は対面していないと相手の能力解析ができないとこが欠点だけどぉ。
さっきのボールは念のため確認した感じよぉ。
実際見たほうがわかりやすいしねぇ?
心眼……なるほど。
魔力っていうのはなんですか?それに絶対的な壁とかなんとか……
能力を行使するのに必要なエネルギーのことよぉ。人によって魔力の量が違うのぉ。魔力の量が多ければもちろん、戦闘、生活において役に立ったりするわねぇ。ちなみにあなたの魔力はぁ並みの人より、少し多いくらいかしらぁ。
なるほど。でも魔力が有っても私は使い道がないんじゃ……
そんなことはないわよぉ。
あなたはまだ適正属性が分からないからなんとも言えないけどぉ、
もしかしたら魔力の使い道がみつかるかもしれないわよぉ。
今現在あなたの能力は属性が関係ないから見つけるしかないわねぇ。
なるほど。適正属性を見つけるところから始めなければいけないんですね。
そうよぉ。
さて、
次に反射能力について話すわよぉ。
反射は、基本的にどの方向から来ても反射できるわぁ。でも、さっきあなたを心眼でみた際に、反射の壁には少々タイムラグがあるみたいよぉ。
反射が働くと膜みたいなものが張ってるの。
それがずっと残ってる訳ではなく、その膜は閉じてしまう。その瞬間があなたの能力の弱点ねぇ。
例えばタイミングをずらして攻撃されたり、
あとは銃器系統は厳しいわねぇ特に連射系。逆に言えば、戦車の大砲みたいな単体系なら大丈夫って感じよぉ。
うーん、あとは酸素に関するものを反射で処理できないところかしらねぇ。
詰め詰めで説明下手だけど大体わかったかしらぁ?
大丈夫ですよ。自分の能力について大体わかりました。
ならよかったわぁ。
一応何でエルフになったかも説明しとくわねぇ。
これも反射能力とほぼ一緒で、他人に絶望し、憎悪を抱いた、ということよぉ。
エルフは他人を憎む者も多くて滅多に表には出てこない。このことからあなたの死亡したときの心境と合致したというわけねぇ。
まあ、この世界に来てから特に憎悪や拒絶なんて
感じは全くないわねぇ。
もう戻ることはないですから……
だから私はエルフになったんですね……
あの、一つだけ質問していいですか?
なにかしらぁ。
あの、その……美佳の事なんですけど、彼女その後助かったんですか?それとも……
ああ、その事ねぇ。あなたをこちらに呼んだあと何度か見てたんだけど、行方がわからなくって……
そう、ですか。
目に光はなく、何となくだが闇を感じる。
思うところがあるのか、切ない表情をしていた。
……気にしても仕方ないし、取り敢えず本題に戻りましょうかぁ。
(ここは嘘をついてでも別の答えの方がよかったかしらねぇ)
さて、次に話すことは
これからの生きる道についてねぇ。
とりあえず、金銭は王様から支給されるわぁ。
使い道は計画的にねぇ?
はい。もちろん無駄に使うなんてしません!
支給していただけるだけありがたいです。
住居についてだけどぉ、これは後で王様と相談だわぁ。
了解です。
話さなきゃいけないことはこれくらいかしらねぇ。色々ドタバタしただろうけどぉゆっくり覚えていきなさぁい。
それでは、行きましょうかぁ。
はい!
三階の応接室へ向かう。
王様ぁ、入りますよー
うん、構わんよ。入りたまえ。
さぁ入ってぇどうぞー
はい、失礼します。はじめまして、黒羽です。
よろしくお願いします。
うん、昨日ミアさんから聞いたよ。よろしく。
私はこのグリーンライン地方の国王ザクロだ。
そこには風格のある重そうな甲冑を着た、見た感じ若そうな王様だった。
早速紹介も済んだところでぇ、黒羽の今後について相談を始めまぁす。
うむ、プランとしては住居と金銭の支給が基本だな。住居に関しては最初から生活に必要なエアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などを取り揃えてあるから、その点は心配無用。 資金については一ヶ月分を用意してるが、
使い道は慎重に頼む。稼ぐときはこの町のギルドに行ってみてくれ。と流れはこんな感じだ
君的には何か問題点や質問はあるか?
遠慮しなくていいわよぉ。
特にはないですね。用意していただけるだけありがたいです。
うむ、ではこの方向でプランを立てておく。
決まりねぇー。
はい。お願いします。
とりあえず今日はぁわたしの部屋で寝てもらうことになるわぁ。
わかりました。
話を終え、応接室を出る。すると、
武具点検終わりましたぜ。バッチリだ。
久しいなガンテツ。元気だったか?
ありがとう、もちろん報酬は多めに用意したぞ。
こんなものだが……
お久しぶりです。なんとか変わらず元気でやってますよ。どうもありがとうございます。
大事に使わせていただきます。
そうか、ご苦労様。
さて、時間もあることだし黒羽くんが疲れてないなら、この城下町の観光などはどうかな?。
そりゃあいい!この町はなかなかいいぞー!
そうねぇ。美味しいものもあるし、いろんな施設があるからみてまわるのもいいんじゃないかしらぁ。
いいですね観光。是非見に行きたいです。
うむ、では、ガンテツお前が案内してやれ。
お前のことだ、腹も減っとるだろ?
ええ、まあ、バレちまってましたか。
長い付き合いだ、それくらい分かる。
んじゃ黒羽、いくか!
はい!
では失礼します。
行ってきます。失礼しました。
気をつけてねぇー。
行ってらっしゃい。楽しんできたまえ。
さて、どこ行くか……
ガンテツさんはお腹空いてないんですか?
ああ、空いてるけど黒羽はどうだ?
うーん、まだ減ってないですね。ガンテツさんが
空いてるならご飯行きましょう。朝ごはんは食べた方がいいですよ!
まあな。でも、俺に気は使わんで良いぞ!
一食ぐらいどうってことない。
そう、ですか?
とりあえずギルドの中にある商業エリアに行くか!