初仕事
---午前九時頃---
おはようございます。ミア様。黒羽。
おはよぉ。
おはようございます。助っ人ってジークのことですか?
そうよぉ。この子ならめちゃくちゃ役に立つわよぉ。
よろしくね黒羽。初仕事、頑張ろう!
はい。今日はよろしくお願いします。
それで、
今日受ける仕事はまだ決めてないですか?
まだよぉ。私よりここのことに詳しいあなたが来てから選ぼうと思ってねぇ。
昨日の夜、連絡した通りきっちり頼むわねぇ。
なるほど。かしこまりました。
じゃあ、今から俺が携帯使って依頼を二つか三つに絞るので、
そこから黒羽が選んで依頼を受けるっていう形でどうですか?
あなたに任せるわぁ。黒羽はこれでおっけい?
はい!もちろん大丈夫です。
お願いします。
じゃあとりあえず見てみますね。
黒羽はポカーンと周りを見渡す
そこには、前の町で見たような宴会がたくさん行われていた。
ん?どうしたのぉ黒羽?
そういえば前の町でも見て思ったんですけど、
ギルドってどんな場所なんですか?
うーん、依頼の被りがあった場合とかに、受注者同士でここに集まってチームを組んだり、
あとは宴会やら、一緒に仕事をする人材を探す出会いの場に使われたりとか、
仕事場というより、
人が集う場所って感じかしらねぇ。
確かにそうですね。よくわかりました!
ならよかったわぁ。
今後も分からないことがあれば聞いてちょうだいねぇ?
はい。ありがとうございます。
それで、依頼の方は見つかったかしらぁ?
はい、こちらの二つになりました。
ジークの端末にはギルド専用ページのサイトが映っていた。
なになに……
○紛失物探し(武器)
報酬金 二万五千円
○薬局から薬の材料調達(森で採れる治癒草)
報酬金 三万二千円
……なるほどねぇ、いいんじゃないかしらぁ。
どちらにしますか?
うーん……一つ目の紛失物探しにします。
薬のことに関しては全く分からないので。
まあ、黒羽が受けるとしたらそうなるわねぇ。
そうですね。二つ目の治癒草に関しては、黒羽が知るわけないですもんね。すっかり自分視点で考えてしまいました。
すいません。
いえ、謝ることじゃないですよ。
こっちでいいのぉ?
今日は治癒草の事を知ってるジークがいることだし、そっちの依頼の方がいいんじゃない?
二つ目の依頼を選びたいところですが……
額じゃなくて、依頼した人の事を思ったら、
探してあげたいなって思いまして。
ふふっ、なるほどねぇ。黒羽らしいわねぇ。
いい心がけですね!
さぁて、二人とも行ってらっしゃい。
私は一度城に戻るわぁ。
二人とも気を付けて頑張ってねぇ。
それとジーク、
依頼が終わり次第すぐに連絡して頂戴。
よろしくねぇ。
はい、分かりました。では後程。
さて黒羽、一緒に頑張りましょう!
はい!それで、内容にある失くした武器って……
これですね。大体依頼を受けたら、
依頼人がこちらに一度連絡をしてくれるのですが
どうやら、依頼人は今入院してるそうです。
いつ連絡がくるかわからないので二人だけで進めていいそうです。
踏んだり蹴ったりですね……
ジークの端末に映っていたのは、コンパクトな銀色の鎌だった。
鎌……ですね。
はい。
失くしたのは、一昨日の昼頃だそうです。
そして、その日は森へ行って、依頼をこなしていたそうですよ。その依頼が終わった後、
失くしたことに気づいたみたいですね。
なるほど……
もし、紛失物が森にあるとしたら、探す範囲も考えてすごい大変になりそうですね。
まずは、城下町から調べてみませんか?
そうですね。でもどこから調べましょうか……
あの、
この城下町にガラクタを扱っているお店や、
売買できる武器屋とかってありますか?
もしかしたら、誰かが盗んで、もしくは、
忘れていったものを売ったとかって思って……
確かにその線はあるかもしれないですね。
ガラクタの店は結構ありますよ。
まずは、すぐに調べやすい武器屋にしましょう。
そうですね。行きましょう。
武器屋
へい、いらっしゃい!
おう!ジークか!なんだその子、まさか、
彼女かぁー!?
……えぇ!?
ち、違う!違いますよ!!
ごめんね、黒羽。
ここの店長はいつもこんな調子だから。
ぁ、いえ……大丈夫です。
それより、最近このお店で誰か武器を売りに来た
人っていますか?
うーん、そうだなぁ、ここ一週間は誰も売りに来てはねぇなぁ。
んで、なんでそんなことを?
紛失物を探す依頼で来たんです。
ほう、依頼デートってところか……ふむふむ
お前は色々あったんだし、これから頑張れよ!!
応援してるぜ!
はいはい。応援どうも。
って!だから違いますからね!
なにひとりで納得してるんですか!!
また来ますね。それじゃ!
黒羽、次行こうか!
はい。
それでは、失礼しました。
はいよー!また来な!
黒羽、あの、俺の過去は聞いたんですよね?……
はい……ごめんなさい。
謝ることじゃないですよ。
俺が弱かった……
それだけです。
……
黒羽、大丈夫ですから気にしないでくださいね。
俺はただ、聞いたかどうか気になっただけです。
なんか、すいません。
こちらこそ!すいません!不安でしたよね?
いやいや、大丈夫!
こんな俺だけどよろしくね。黒羽!
はい。もちろんです!
さて!仕事に戻ろうか!
はい。
そして、
城下町にある武器屋五つのうち四件を調べたが、全く情報は得られなかった
ここもダメでしたね。
うーんと、次は……ガンテツさんの武器屋しか残ってませんね。
でも、ガンテツさんはまだ自分の店を開けてないそうなので、売るなんて出来ないですね……
じゃあ、次はガラクタを扱っているお店に行きましょう。
そうしましょう。
城下町裏通り
……少し不気味な雰囲気ですね。
まあ、確かにここは人気もないですし、
分かります。
でも、いい人ばかりですよ。
ただ、表に出たがらない人が多いってだけです。
なるほど。
ん?あれは……もしかして……
武器のガラクタたちだ!
本当ですね!量は多いですが、調べる価値はありますね。
いらっしゃい、好きに見てってくれ。
あの、最近ここのお店で武器を売った人っていますか?
あぁ、つい最近ここへ武器を売りに来たやつがいたな。
ほんとですか?
ほら、これだ。
店主の手に持っている物は依頼人の鎌の特徴と一緒だった
これだ!あの、これください。
あいよ、代金は三千円だ。
武器の中古でこの値段ならお買い得だろ?
まぁ、そうですね。黒羽、ここは俺が買います。
えぇ、でも……
報酬金は山分けということでどうですか?
それなら、いいですよ。
ありがとうございます。
また、来てくれよ!
依頼はこれで完了ですね。あとはこれを……
依頼人か、ギルドに届けて終わりです。
ちなみに依頼人へ直接届けた場合は、
依頼を受けた人に自分の端末へ依頼人の
指紋を認証して、本人だと分かれば、あとはギルドに行って、報酬金を受け取るだけです。
なるほど。よくわかりました。ありがとうございます。
(私が依頼を受けるとして、端末は持ってないし……後でミアさんに聞いてみよう)
あっ、そうだ。
今は時間もあるし、直接依頼人のところへ行きませんか?
はい、行きましょう。




