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積極転移者の無双戦記〈ワールドコンクェスト〉  作者: 仮谷 真生
第一章 第一の世界〈ファースト・アライブ〉
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ダンジョンでの会話

だいぶ進んだ頃、まだモンスターの気配は感じなかった。


「その武器って、もしかすると、操力武器(トリックウェポン)ですか?」


口を開いたのはファラヴァ。


「うん。武器屋で買ったんだ。」


「ふむふむ。武器屋でも売られているんですね。」


「ファラヴァの武器は特性を持っているのか?」


「実は私も操力武器なんです。」


ファラヴァは照れたように言った。


「じゃあ、戦闘が起きても多少は、カバーしあえるかもな。」


「そうですね。見たところ、村雨さんって強そうですもんね。」


まあ、さすがに、あんだけ特訓していたから、少しは筋肉がついていた。

だからこう思われるのもしょうがないと俺は思った。


「実は、ファラヴァの方が強かったりするかもだけどね。」


「ええぇぇぇ!そ、そんなことないですよ…」


そんなダンジョンの中とは思えない会話が続いていた。

しいてはモンスターの気配がするというのに。


「少し教えてもらいたいことがあるんだけど。」


俺は、ちょっと質問しようと思ったのでこう言った。


「いいですよ。なんでしょう?」


「操力武器の、(スピリット)を使った技ってなんていう名前なんだ?」


「それは、流力技(りゅうりょく)といいます。

 流力は、全部で200通り以上あるといわれています。」


「へえぇ。

 でも流力技って自分で見出せる技もあるんじゃないか?」


「まあ、200通りというのは、基礎技みたいなものですから、そのようなオリジナルな技もあると思います。」


「ほう。

 じゃあ、今度、流力技についてもう少し教えてくれないか。」


「いいですよ…って、今度!?」


「あ、ああ、ダメか?」


「い、いえ、今度があるんだなぁと思っちゃって。」


「そういうことね。

 てっきり拒絶されたのかと思った。」


「あ、あははは…」


今度って言っても、どうすりゃいいんだろう。

場所とかも決めなくちゃな。


「今度会うんだったら、俺の特訓場所来るか?

 実は、独占状態だから気を使わなくてもいいと思うよ。」


「独占状態?

 いったいどんな場所で、特訓してるの。」


「森の中。」


そういうと、数秒間、間が空いた。


「も、森を独占て…す、すごいね。」


ファラヴァは放心状態のような表情だった。


「はは、ある人に借りててね。」


「でも特訓の邪魔なんてしていいんですか?」


「邪魔というか、むしろ助かるよ。

 足りない知識を埋められるからね」


「じゃあ、こちらからもありがたく、行かせていただきます!」


ファラヴァは、少し、ニヤニヤした表情だった。

俺は、流力技について教えてもらえるということで、とてもわくわくしていた。

それに、武器についての知識ももっと欲しい。

もしかしたら、剣の潜在能力的なものも分かるかもしれない。

そんなことを思った。


「ファラヴァはどのあたりに住んでいるんだ?」


「このダンジョンからは結構遠いですが、カルターンという、街に住んでいます。」


「学園とかってあるのか?」


「カルターンには、学園はないんですが、チーム的なものはあります。」


「チーム?」


「チームというのは、まあ、ランキングにのるために作られているものです。そのチーム内では、学園のように交流の場として、設定されています。」


「ちなみに一番強いチームとかってあるのか?」


「一番強いかはわかりませんが、黒騎士団(ブラックナイトメア)というのが、ランキング一位です。」


もうすごかった。

リアルでこんな、名前のチームがいるのか?

すごすぎるだろ。


「す、すごいな…」


「そうですよね、あははは…」


こんな変な会話も続いたが、この世界の街の詳しい様子も聞けて良かった。

会話を続けて5分位たった頃、ファラヴァからある一言が告げられた。


「気配を感じます…」


「まじか…」


会話をしていた、空間に、空虚な雰囲気が下りる。

耳を澄ませると、足音のようなものが聞こえた。


「広い場所に行きましょう。」


ファラヴァが急に口を開いた。

おそらくこの空間だと戦いづらいからだろう。

そして、広い場所についた。


「指示はなるべく私が出しますので、交戦お願いします。」


「分かった。」


静かな声で会話した。

そして松明の明かりのふもとに、モンスターの影が見えた。

俺とファラヴァは、剣を構えた。


「行きましょう!」


声とともに、モンスタ-の方向へと走った…

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