転移のその先は
ここから本編です。
運命を交えるその扉へ誘われるは
世界に変革を起こすもののただ一つの魂
俺は、村雨柴柏。
ごくごくつまらない日常だったが、先ほど変わってしまったみたいだ。
「どうしよう…」
悩んでいた。
異世界ということもあり、好奇心を持ち来たものの、いざ来てみると思考回路がなかなか働いてくれないようだ。
ちなみに俺が今いるのは、田舎町の、のどかな畑に囲まれていそうな道の少し広めバージョンみたいな感じだった。
服装も飛ばされたときに来ていた黒いジャージだった。
「歩くか」
留まっていても仕方がないのでとりあえず進んでみた。
人もいなく、右隣には、草原。
左隣には森。
30分間ぐらい歩いていたが、特にイベントもなく、異世界ながらの景色を見ていた。
「え、これ異世界?」
そう思うほど、豊かすぎて異世界とは思えない程だった。
さすがに退屈になってきた。
疑心暗鬼になりながら歩いていると、老人らしき人がいた。この世界で初めて見た人だ。
俺はよかったと思いながら、老人に近づいた。
俺は聞いてみた。
「お話いいですか?」
すると老人は
「その服装…見たことないね。」
やはりこの服装は、この世界にはないようだ。
「実は俺、さっきこの世界に来たんです。信じがたいですが。」
俺は急にこんなこと言っちゃったけど大丈夫かなぁ、と思った。
だが老人には、予想外なことに驚きの表情がなかった。
「いい面だな。」
そう言ってきた。
正直こっちが驚いたが表情をゆがめる前に聞いてきた
「この世界について知りたいのだろう。」
「聞いてもいいですか?」
そう聞くと、老人はうなずいた。そして老人はゆっくり語り始めた…