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ハゲ散らかし
僕は頭がハゲている。
このことは誰にも秘密だ。
大企業、サブトリーに勤める、僕こと昴は頭頂がつるっぱげなのだ。仕事ができても、これでは恋に奥手になる。
「君!この書類コピーしておいて」
「はい」
きれいな声で返事した彼女はあやなさん。
会社内のマドンナだ。
「きれいですねぇえ」
隣の席の同僚が興奮ぎみだ。
「たしかに」
「でも、お前ならチャンスあるさ!イケメンだもーん」
そう僕はカツラをかぶり、イケメンとして会社に君臨しているのだ。
この秘密をまもり、間違いなく彼女を、落とすのだ。