0 昔々のお話です。
初投稿です。
この先の連載で突っ込みどころが多々存在すると思いますが、どうか温かい目で目で見守っていただけると幸いです。
今はいない祖父から聞いた話では、昔は一家に1.2台の自家用車があって、一般人は3ヶ月も講習を受ければ免許を取得し、好きに乗り回し、一部地域の道路では渋滞が起こっていたらしい。燃料も金さえあれば誰でも買えたのだとか。
鉄道もバスも、ほぼ民間が運営していた。馬なんていなかった。
軍隊は完全な志願制で、どんなに理由をつけても徴兵なんてできなかったそうだ。
食料自給率が低いくせに、飽食の時代とか言われていた。
原発事故なんてものが起きたらしい。あんな危険なもの、どうしてもっと早く廃止しなかったんだ?
少子化が深刻で、そのくせ子供を作らない自由、結婚しない自由もあったんだっけ。
後先考えない、自分が死んだ後の世代のことなんてどうでもいいって思ってたみたいだ。そのときの世代がどうにかしてくれる、夢のような新しい科学技術で解決できる……お気楽な未来を想像して、現実から目を背けていたのかな。
祖父から聞かなくても、そのくらいの歴史は義務教育でウンザリするほど習った日本史だ。
あらゆる分野で新技術が確立される中、対戦の危機が迫り、弱腰の政治を見かねた軍隊が動き、奇跡的な改革が実現した……んだっけか?
そんな祖父が現役だったころから、半世紀ほど流れた。
『富国強兵』のスローガンの下、この国はだいぶ変わったのではないか?
とりあえず、主人公の回想……みたいなものです。