表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

第一章 遭遇 ⑤

目が覚めたのは、ちょうど昼の12時だった。


 「………………ん」

 目を開けて一番最初に認識したのは、見慣れた俺の部屋の天井だった。

 どうやら俺は自室のベッドに横たわっているらしい。

 まばたきしていると、リビングの鳩時計が12時を知らせるべく鳴り響いているのが聞こえた。

 (俺は……そうか、ヘンな奴が天井にくっついていて……それで…)

 と、そこまで思い出した時、

 「おはよー。と、言ってももう昼だがな」

 あの少女が扉を開けて入ってきた。

 「うわわわわわわわわわ!?」

 「……あ、ノックもせずに入ってしまったな。これは失敬」

 ペコリと頭を下げる少女。

 「そこじゃねーよ!何故にまだお前が居るんだよ!つーか誰だ!」

 「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。積もる話もあるからな」

 そう言うと少女は俺の部屋から電光石火のごとく退室し、十秒後、少女はホカホカと湯気をたてているカレーライスを持ってきた。(しかもノックして入ってきた。)

 「とりあえずこれ、食べな。腹が減っては戦もできんと言うしな」

 そう言うと少女は俺の膝の上にカレーライスをドンッと置いた。器が若干温かい。少女は床に正座して、早く食べろと目で訴えている。

 (…どこの誰だかも分からない奴に食事を出されてしまった…。まさか、毒でも仕込んであるんじゃないだろうな…)

 「心配なく。毒なんか入ってないぞ」

 さも俺の考えていることを見透かしているように少女は笑う。

 俺はじっくりと少女を眺めた。

 (身長は…俺より頭一つ分くらい小さいから…150センチあるかないかぐらいか?小…いや、中学生…かな?)

 「…?…冷めないうちに喰ってくれよ。冷蔵庫にあったやつだけど」

 「レトルトかよっ!」

 「買い置き使わせてもらったぞ」

 「もらったぞ、じゃねーよ!くっそ変に家庭科スキル期待した俺がバカだったぁ!」

 チクショウやけ食いだぁ、とカレーライスを食べ始める。

 ガチャガチャとスプーンを動かす音が部屋に響く。

 「食べながら聞いてくれ。…私が誰かという話だったな?」

 唐突に少女は話し出した。

 「この際だ。全部話す」

 少女は立ち上がり、言い放った。

 「私は春野京子はるの きょうこ、錬金術師をやっている。今日はキミの『心臓』を貰いにきた。」

 …はい?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ