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第一章 遭遇 ④
(なんなんだ?コイツ……)
俺は改めて少女を観察する。
少女……髪と目の色は黒。髪は天井と背中に挟まれているので分かりにくいが、天井と背中の間から髪がはみ出ているところからして、そこそこ長髪のようだ。
服装はポロシャツにスカート。もしかすると、どこかの学校の制服なのかもしれない。
スカートのくせに体育座りなんてしているもんだから、アングル的には結構アブナイ。
(…パーティーに呼んだ友達にはこんな奴はいなかった…はず。つーか、初対面だよ。誰かの妹さんで、わけあって一日預かる事になってた…とか?いや、まさかな……って、ちょっと待て、そもそもコイツなんで天井にくっついてんだ?)
とにかくいろいろな空想を巡らせ始めたときだった。
「とうっ!」
少女が、天井から俺に向かってダイブした。(しかも大の字。)
「ちょっ…………ぐふぉっ!?」
鈍い音がした。
金剛悠希、17才。
この時初めて気絶というものを経験した。