来ちゃいました七瀬家!!
わたしの通うこの水無月学園には
イケメンブラザーズと呼ばれる超イケメンの四兄弟がいる。
まさかこのわたしがそんな人たちと一緒に
暮らすことになるなんて思ってもみなかった。
~夏姫~
「ちょっと七瀬先輩!」
何でここに七瀬先輩が?
しかも何故わたしはキスされているのでしょう?
ただいまわたし早乙女夏姫は保健室でサボリ中!!
「へェ~。優等生の早乙女さんでも授業サボるんだァー。
一応俺、これでも生徒会長だからさァ~ サボってる生徒教育しなきゃいけないわけ」
教育って!
今ここでキスされているのが教育だと言うんですか?
「うんっ。もうやめてください七瀬先輩。」
「叫びたきゃ叫べよ。このことバレてもいいならだけどな。」
なっ!なんて人なの。
こんな人がうちの学校の生徒会長なの?
ありえない。ってかわたしは認めない。
「もういいや。また今夜会おうぜ。」
今夜って、何わたし誘拐されるの~?
「ったく~。しょうがない人だな~海斗兄さんは。大丈夫でしたか早乙女さん?」
「七瀬先輩!はい大丈夫です。」
この人は七瀬智先輩。わたしと同じ図書委員で、
いつもわたしをきずかってくれる優しい先輩です。
ちなみにわたしが片思いしてる人です。
「先程は、僕の兄が失礼いたしまして本当にすみませんでした。」
あっ、兄~!
「アレっ。知りませんでした。僕七瀬智は、生徒会長七瀬海斗の弟だと
みんな知ってると思ってたのですが。」
全然知らなかった~。
兄弟でも人ってこんなに違うものなんだ~。
「では、早乙女さんまた今夜。」
えっ!
七瀬先輩2号まで~。
いやっ 2号はさすがに失礼か。
もう何が一対どうなってんの~。
「失礼します。早乙女さんいますか~。ホームルームが
始まるので迎えに来たのですが。あ~面倒くさ~。」
まっ、またもや七瀬。
「早乙女さん、早くしてくれる~。あと…。」
要君はわたしの耳元で囁いた。
『靴箱で待っててくれる。今日から君の住む家まで案内するよう頼まれてるから。』
なっ なんで~。
なんで要君がわたしが住む家なくしたことしってんの~。
頼まれたって一対誰に~?
そして放課後…。
「遅~い。僕を何分待たせるつもり。」
やっぱ要君 可愛い。
「まぁ~。とにかくついてきて。」
理由は分からないけど七瀬君と一緒に帰れるなんてラッキー!!
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
なっ、なんなのこの沈黙。
気まずいんですけど~。
「ねぇ~。」
「はっ はいなんでしょう。」
「あんたって顔に出やすいタイプだね。」
えっ!
なっ、何が?
もしかして七瀬先輩とのキッ、キスしたこと気づかれてる?
「海兄にキスでもされた?」
ドキッ。
なんで要君がそんなことしってんの?
海兄ってもしかして要君も?
そんなまさか。
「ふ~ん。キスされたんだ~。海兄には気を付けた方がいいよ。
隙を見せるとあんた襲われるよ。」
おっ、襲われる!
わたしは驚きのあまりバランスを崩してしまい倒れそうなってしまった。
そのとき、急に要君に腕をつかまれ、そのまま要君の方へと
引き寄せられた。
ドクンッ ドクンッ。
やばい心臓が爆発しそう。
「君って見かけによらずドジだね。ついたよここが今日から暮らす家だから。」
え~!
こっ、ここが要君たちの家?
すっ、すごい。
こんなに広い玄関見たことない。
わたしの家でさえここの2分の1しかないのに
「とりあえず入って。」
なんか緊張する。
すると要君がわたしに向かって手を伸ばしてきた。
「きゃっ!」
「何?僕が海兄みたいに君を襲うとでもおもった?心配ないよ僕、
海兄みたいに女の子襲うの趣味じゃないし君にも興味ないから。」
ガ~ン↓↓
きょっ、興味ない。
分かってわいたけどそうはっきりいわれるとさすがに
ショック~。
「アレっ!要帰ってきてたのか~。こちらの可愛い子は、
もしかして要の?案外やるな要。」
「女遊び大好きな夏陽兄と一緒にしないでくれる。」
え~。
こちらの七瀬先輩も要君のお兄さんですか~。
「この子はあの早乙女財閥の?」
「あ~。そっか君が可愛いって噂の早乙女さんか~。君、噂以上に可愛いね。」
「あっ、ありがとうございます。」
なんなんですかこの一家は、イケメンの館?
兄弟全員イケメンって。
わたしこれからここに住むんだよね。
無理。絶対無理。
わたしにはたいきれない。
「さっさと上がったら。部屋も案内しないといけないんだから。」
「そっ、そうですね。じゃ~お邪魔します。」
またもやわたしはこけそうになってしまった。
ドンッ!
痛たたたぁ~。
もうなんでこうなるの。
「ねぇ~。どうでもいいけど早くのいてくれる。」
「えっ!」
「えっ! じゃないでしょ。自分の体勢見てみたら。」
わたしの体勢って?
別にどうもなってないって。
うっ! うわぁぁぁぁ!
わっ、わたしなんてことを~。
わたしは要君を押し倒してしまっていた。
「本当にドジだね。僕だから無事に済んだけど海兄と夏陽兄なら
確実にあんた襲われてたよ。」
「誰だったら襲われるって。」
「アレ。海兄、帰ってきてたの?」
「あ~。今さっきって、おい要さっきの言葉はどう言うことだ~?」
「言葉のとうりだけど。」
「なんだとテメェ~。それじゃ~まるで俺が女とやるしか
脳がないみてェ~な言い方じゃね~か。」
「ちがうの?」
かっ、要君それはいくらなんでも少し言いすぎかと…。
「違うこともねェ~が。」
認めちゃうの七瀬先輩こんなにあっさりと。
「アレっ。これはこれは早乙女さん保健室ではどうも。」
「えっ!海斗と早乙女さん何かあったの?」
あったもなにもキ キ…。
「あ~早乙女さんと海兄は保」
「要。これ以上言ったらぶっ殺す。」
「こらこら。海斗も要ももうやめとけ。じゃ~。俺は出かけてくるから。」
「なんだよ夏陽。また女か?」
「まぁ~ね。」
「あきねェ~よな、お前も。」
あんたが言うな!
わたしを襲いかけたあんたが。
何 このチャラ男でと女とやりまくり男は。
もうわたしどうしたら。
「ただいま~。アレッ。夏陽兄さん帰ってきてたんですか。
今日も女の人のとこ行くんですか。」
「もちろん。女の子のハートゲットしてくるよ。」
七瀬先輩。やっと頼りになる人が帰ってきた~。
助けて~七瀬先輩。
「さぁ~。そろそろ夕食にしましょうか。海斗兄さん、要、手伝って下さい。」
「ったく~。しょうがねェ~な。」
「しょうがないって言っても、もともとは海兄が当番の日だし
手伝うのは当たり前でしょ。」
「夏陽兄さんは今日も食べて帰る予定ですか?」
「うん。今日も家には帰ってこないと思うから。」
「分かりました。」
うぁぁ~。驚いた。
すごい男の人でも料理できる人はできるんだぁ~。
『いただきます。』
「早乙女さんも今日から七瀬家の一員ですから遠慮なく食べてください。」
「あっ!はい、いただきます。」
パクッ。
おっ、おいしい。
七瀬先輩って料理上手なんだ~。
「この際、早乙女さんにこの家のことを簡単に説明しときます。
まずこの家は早乙女家と同様財閥です。ですから今までどうり気軽にすごして下さい。」
今までどうり気軽にねェ~。
それが一番難しいのですが。
「あとこの家では4人で暮らしております。両親ともに海外に出ていますので。
最後に念のため自己紹介を僕は、三男の七瀬智です。そしてここにいる海斗兄さんと
さっき出かけた夏陽兄さんは双子です。兄さん達は双子だというのに
成績も顔も似てないのですが。」
「似てるところと言えば、2人とも趣味が女遊び大好きっていうところと
2人とも女の人にモテるってことぐらいでしょ。」
「黙れ要。」
「そしてここにいる小っちゃくて可愛いのが四男の要。早乙女さんのご存知どうり要は、」
「成績学年トップですよね。」
「ちょっと智兄。何度も言うけど『可愛い』っていわないでって言ってるでしょ。」
キュン~。
かっ、要君の上目づかい、ちょ~可愛い。
やっぱ要君、男の子にしとくのはもったいない。
「何?さっきからじろじろ見て。」
きっ、きずかれてた?
「いえ。なんでも。」
「ふ~ん。ならいいけど。まさかあんたも『可愛い』とか思ったんじゃないよね。」
「まぁ~。七瀬家についてはこれで終わりなので、あとは自分の部屋で
くつろぐなどいろいろしていて下さい。」
お父様・お母様、あなた方が死んで一週間。
わたしは、やっと住む家がみつかりました。
ですが、わたしこの家でやっていけるのでしょうか。
~海斗サイド~
「早乙女夏姫か…。」
「もしかして海兄、あの子に惚れた?」
かっ、要。
「何言ってやがる。そんなことあるわけ」
「ないって言えるの?」
うっ!俺はただ保健室でアイツを見つけて、
ちょっとからかいのつもりでキスしただけだ~。
「海兄は素直じゃないよね。そんなんじゃいつかあの子、智兄や夏陽兄に取られるよ。
まァ~。今のあの子は智兄に惚れてるみたいだけど。」
なんでここで夏陽と智が出てくるんだァ~?
それにあいつが智にほれてるって。
なんでそんなこと要が知ってんだよ。
「要。さっきから何言って。」
「求められてもないのに海兄がキスしたりやったりするほど
最低な人間だとは僕は思ってないよ。でもあの子に惚れて
るのは智兄も夏陽兄も一緒だよ。ただ海斗兄みたいに自分
の気持ちに素直になってないだけで。」
「要。お前はいつもそうだな人のこと何でもわかてやがる。
そうやって人の思ってることだけうかがってるといつか…。」
「いつか何?」
いつか。
「いつか本当の自分を失うぞ。」
「もう失ってるよ。」
「おまっ!」
俺は何も言えなかった。
~要サイド~
「もう失ってるよ。」
本当の自分なんてもうとっくの昔に失ってるよ。
人の顔をうかがってその人が望む自分になる。
そうしないと、僕は生きていけなかった。
母さんも父さんも夏陽兄や海兄・智兄しか見なくて僕の事なんて二の次。
だから僕はがんばって勉強もして運動もした。
「海兄はいいよね。誰からでも愛されてて。」
「お前。何言ってんだお前だって。」
僕だってもちろん愛されてたと思う…。
だけど海兄みたいに、
「僕はなんかしないと褒めてももらえないし愛してももらえない。
でも海兄は、何もしなくても母さんや父さんに愛されてたじゃん。」
これは僻み。
僕はただ愛してほしかった、ただ認めてほしかった。
だけどみんな僕になんて目もくれない。
だから嫌い。
大嫌い。
夏陽兄も海兄も智兄も母さんも父さんも
みんな大嫌い。
「ごめん海兄。急にこんなこといいだして。」
このことは何があってもいわない。
いえば僕は本当にこの家から居場所がなくなる。
だからこのままでいい。
誰も傷つかないこのままの関係で、傷つくのは僕は1人で十分。
そのはずだったのに…。