選択と結果
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「リミットだ、そもそも勝ち目はなかったが… これで俺達の勝ちが決まっちまった。」
そういってニヴルは実に楽しそうに笑みを浮かべる。
心から彼は勝利を確信しているのだろう、その喜悦は態度に、声色に現れている。
「急に笑い出しやがって… 何が始まるってんだ?」
「レオっ!! 油断しないで!!」
ギンッッ!!!
サクラが吠えると同時、レオの剣はゼドが振るった剣を受け止めていた。
クソったれが! コイツがここに来やがったってことはルーク達は大丈夫なのか!?
心配できるほど余裕もねえ、炎が消える前に撤退しねえとまずいぞ…
「ずいぶんと遅え登場だな!! 『守護者』さんは忙しいってか!?」
「必死だな、余裕を持たねば視野が狭くなってしまうぞ?」
「穿て、『颱風』!!」
ノエルが放った竜巻は2本、レオとゼドの膠着を解くために、そしてもう一つは…
「チッ…」
「状況は最悪! 全力で撤退します!!」
Aランク冒険者であるノエルが培った勘は2つ目の竜巻に、ヴァナの動きを牽制する竜巻に大量の魔力をつぎ込んだ。
その判断は彼らの命を繋ぎ止める。この魔術が無ければレオの首は飛んでいただろうから。
それでも…
「撤退とはいただけねえなぁ? せっかく我らが『守護者』様が戻ってきてくれたんだぜ? 最後まで職務を全うさせてやってくれよ!!」
「貴方に同意するのは癪ですが、撤退などさせません。神敵はここで討ち果たします。」
「冒険者にはやらなきゃいけねえ時があんのよ、アンタらには分かんねえだろうがな。」
その言葉で覚悟を決めたレオ、彼の体を紅い炎が覆う。
「コイツらは俺が止める、ルーク達連れて仇取ってくれや。」
「ウチも残るよ、レオにだけいいカッコはさせないよ!」
「いいカッコってお前なぁ… まぁ良い、後は頼んだぞ!!」
「ッ!!」
ノアとマークはレオの覚悟を受け取っていた、感情は置いていくなど論外だと言っている、それでもレオが託したのだからと半ば諦めにも似た決意を決める。
そう、感情を無理矢理押し付けているのだ。
人間であれば必ずしも最善の選択が取れるとは限らない。
では最善の選択を取れなかったとき、その結果は最高のものにならないのだろうか?
答えは否
彼女の選択は仲間を置いていかないというものだった。
その選択はこの場において、彼らにとって最高の風を運ぶ。
「紡ぎましょう、『福音運ぶ薫風』」
「これは…」
「風? 動きが制限される…!」
風魔術は他の魔術に比べ極めることが難しいと言われている。
なぜなら分かりやすく魔法を「見る」ことができないため、効果をイメージすることが難しいからだ。
それでもノエルは鍛えた、鍛えて鍛えた先に終ぞ『終極』に至ることこそなかったがその努力が、才能が彼女をAランクまで押し上げた。
芽吹いた土壌は止まらない、彼女が初めて感じた仲間を失う恐怖が、怒りが、より強い風を生み出している。
『福音運ぶ薫風』は彼女の思い通りに速度を操ることができる。
その風はゼドの動きを鈍らせ、レオとサクラの二人なら抑え込める域までにする。
「流石ノエル! 今なら抑えられる!!」
「最高だぜ!! ノア!マーク!そこの茶髪が恐らく元凶だ!今のうちに仕留めてくれ!!」
「「了解!!」」
二人が魔力を溜め始めた刹那、空間を切り裂く音とともに大聖堂に血飛沫が舞った。
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