聖都
タイトル変更しました
旧「ザコでも英雄の夢を見たい」
新「底辺から始まる逆転冒険者生活」
俺達「明けの明星」はバレル神聖国行きの馬車に乗っているところだ。
俺達の拠点であるリドナの町があるアーミルト王国から馬車で2日。
「神聖迷宮」がある聖都バレンディアに到着する。
「バレル神聖国は迷宮以外の特徴ってなにかあるんですか?」
「神聖国は王のいない国、神の代行者と呼ばれる教皇が統治する国だ。」
「この大陸で唯一国教を定める国でもありますわ。」
バレル神聖国
神の声を聴いた初代教皇バレルが興したとされる国である。
バレル教と呼ばれる宗教が国教に指定されており、神による救いを至上の命題として掲げる国家である。
「そういや神聖国には『守護者』がいるって話だったよな?」
「『守護者』?どんな人なんですか?」
「なんでも帝国の『最強』に並ぶなんて噂もあるみてえだな。」
帝国の『最強』に並ぶ?
たった一人で帝国最盛期を築いた英雄に並ぶとは…
機会があればぜひ戦いを見てみたいと思う。
道中トラブルが起こることもなく、俺達は無事聖都バレンディアに到着した。
「とりあえず宿探し行くとするか。」
「そうしましょう、まずは拠点がなければ始まりませんから。」
「ここいいんじゃねえか?」
レオが指さしているのは「青空亭」と書かれたきれいな宿。
神聖国とはいえども、人々の営みはどこも同じようなものかもしれない。
ちなみに交渉を任されているのはノアである。
彼女が一番受けが良いのだとか。
「取れましたわ、今日は部屋に戻って休みましょう。」
「そうするとしよう。それではまた明日。」
5人が宿に入っていく姿を見つめる茶髪の青年がそこにいた。
「アイツらってニザが言ってたヤツらじゃね?全員五体満足じゃねえか。」
「まったく爺さんもボケちまったんだか…」そんな言葉を残して彼はその場から立ち去った。
「やっ、シスターさん。実行の日はいつだっけ?」
「問題が起きなければ2週間後になります。」
「りょーかい。そういや今日ニザの爺さんが言ってたパーティ見つけたけどどうする?」
「放っておいてよいでしょう。『守護者』さえ落ちれば終わりなのですから…」
光の消えた大聖堂で今夜も密談は続く…
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