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黒鬼 3

どれほど時間が経っただろう。

まだ二人は目覚めていない、もう少し時間を稼がねばならない。

我の想像していた以上にバフなしで黒鬼とやりあうのは厳しい。


「ゴァァァァァ!!」


ここにきて黒鬼の動きが鋭さを増す。

地面を殴りつけた衝撃でマークの体勢が崩れる。

「まずいッ!」


不覚、この場面において明確に隙を見せてしまった。

我はここで終わりだろう、しかし4人は生き残れるだろうか。

明けの明星としてAランクに到達する夢だけが心残りだ。


「バチィィィ!!」

「!?」


そこには魔力を振り絞ってマークの危機に魔術を行使したノアがいた。

顔色は白く今にも倒れそうである。


「助かったノア!!」

「このくらいは当然ですわ…!」


窮地は脱したとはいえ依然劣勢に変わりはない。

二人には黒鬼を抑えきるビジョンが見えていなかった。


「すまないノア、あと一発撃てるか?」

「やれますわ、ですが威力までは…」

「我の残りの魔力全てで反射する、あとは神に祈るしかないな。」


「稲妻よ、空を奔り地を穿て!『雷鳴魔術 迅雷!!』」

『反射攻撃!!』


詠唱で補助することで魔術として形になったとはいえ魔力が足りていない、普段の彼女とは似つかない威力の魔術になってしまう。

しかしマークの決死の補助により黒鬼に届く一撃になる。


『鳴神舞』には遠く及ばない魔術、しかし奇跡が起こる。

ニザの奥義は未完成、限界を超えた強化には長くない制限時間がある。

二人の攻撃は確かに黒鬼から時間を奪っていた。


黒鬼から瘴気が消え体が縮んでいく。

赤い変異種の姿も上手く保てておらず、ゴブリンと変異種が混ざったような姿に変化した。


「何が起きた? だが今が好機!倒しきる!!」


マークは剣を抜きゴブリンに向かって駆け出す。

普段盾をメインに使う彼だがゴブリン程度に後れを取ることはない。

「ザンッ!!」


斬撃の音とともにゴブリンの首が落ちる。

そして黒鬼が2匹とも討伐された事実は主人の元へ届く。






「ほぅ、儂の予想ではBランク程度では黒鬼は倒せないと思っていたのじゃが…」

「どうしたんだ爺さん、辛気臭え面してよ。」

「ニヴルか、なに儂もまだまだということじゃよ。」

「そうか、アイツらはまだ来ねえのか?」


光の刺さない地下で二人は語り合う。

ルークと彼らが出会うのはもう少し先の話。




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