第二十八章63 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)2】63/序列11席7
【芳一】、【オンリス】、【ブクィミディエス】による雑談はまだ続いている。
【ブクィミディエス】は、
『ワシの夢はな・・・
全存在の個性化じゃ』
と言った。
【芳一】は、
「全存在の個性化?」
と聞いた。
【ブクィミディエス】は、
『お前さん達の正義には合わんと言うのは百も承知じゃ。
じゃが、それでもワシの意見を言わせてもらえば、存在は生まれる時、他の生まれるかも知れない存在を押しのけて生まれておる。
人間に例えればたくさんの精子の中の1つが卵子と結合して、人間の子供として生まれたと言うことじゃ。
つまり、生まれたと言うだけで特別なのじゃ。
その特別な存在が、何もしないと言うのは他の生まれるかも知れなかった存在に対して申し訳ないと思わないのか?
・・・とワシは思うのじゃ。
生まれた以上、特別な何かをするべきじゃ。
ワシの考えはそうなのじゃ。
じゃが、凡人と言われる多くの存在は自分の気配を消しておる。
目立つことを嫌い、大勢に埋もれて生きておる。
それがワシは許せんのじゃ。
大勢に埋もれると言うことは大勢と同じ姿をしていると言う事。
木を隠すなら森の中という様にな。
だが、森の木々と違った木であれば森に隠しても目立って隠せない。
ならば、異なる木に変えてやろう。
ワシはそう思ったのじゃ。
お前さん達がワシの行為に対して否定的なのは解る。
じゃが、ワシはワシの正義を実行しておるだけじゃ。
それを世の中は否定し、ワシを【贄喰威】と呼称しておる。
それだけの話なのじゃ。
解るか?
誰かの正義は他者の悪なのじゃ。
ワシにとって正義でもお前さん達にとって悪に映るようにな。
ワシからすれば他者の正義の押しつけ。
ワシはそれに反発しておるだけじゃ』
と言った。
これには【芳一】達も考えさせられる。
確かに、【芳一】達は自分達の正義で行動している。
だが、全ての存在にとっての正義ではない。
全ての存在にとっての正義は存在しない。
例えば、【芳一】は肉を食べる。
食べられる食肉にとっては【芳一】は悪となる。
存在の立場によって正義にも悪にもなると言う事だ。
そう言った事を考えさせられる調査だった。
この後も【贄喰威】の序列11位、【異様魔導主ブクィミディエス】の調査は続くが、中継は以上となる。




