第二十八章4 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)2】4/序列19席4
【芳一】と【アクトゥ】は眼を飛ばしあっている。
【芳一】は、
「彼女を物扱いしたこと、訂正しろ」
と言った。
【アクトゥ】は、
『おろすぞこらっ』
と言う。
「こっちは【真の強者】の許可を受けてやってんだ。
黙って従え」
『こっちは、【真の強者】の【条件覚ミドルランク第17位】の【真深神覚醒龍辰竜】代表【ドゥラティア様】に力を授かってんだ。
俺様に逆らう事は【ドゥラティア様】に逆らう事になるんだよ』
「はぁ?
【ドゥラティア】なら僕も会っている。
それにお前等は、【弱強威】のトップ100000の力をかすめ取っただけの存在だろうが。
聞いてるぞ、【ドゥラティア】だけじゃなく、【クイアンビー】からも」
『く、【クイアンビー】・・・様?』
「そうだ。
ドゥラティアと同じ序列17位の【クイアンビー】だ。
お前の言い方にならうなら【超越】の17位、【【重複権要女王蟻蜂】の代表格を務めている【クイアンビー】だよ」
『し、知り合いなのか?』
「友達だよ。
悪いかよ」
『し、失礼・・・しました・・・その・・・【唯野 芳一さん】。
無礼をお許し下さい』
と態度を急変させた。
【クイアンビー】と言えば、【贄喰威】が力を得た元、【弱強威】のトップ10000とその勢力を嬲り倒して全滅させた存在である。
【贄喰威】達の中では絶対的な恐怖の対象として刷り込まれている。
虎の威を借る訳じゃないが、【クイアンビー】の名前を出せば、【贄喰威】は黙るのである。
その事に気付いた【芳一】だが、以後、【クイアンビー】の名前を出すのを控えようと思った。
なぜなら、そうなった場合、【贄喰威】達は必要以上に萎縮してしまって、本心を見せない可能性が高いからだ。
それは、この【アクトゥ】の態度からも明らかだ。
それまで散々、ふんぞり返った態度をしてきた、【アクトゥ】が震えている。
心の底から恐れているのが明らかだった。
それは【下手人】にとっても同様である。
【贄喰威】を乗っ取った【下手人】にも【クイアンビー】の絶対的な力は伝わっているはずだ。
一人称は【わらち】、~だおと言う語尾を使う彼女だが、その恐ろしさはしゃべり方とは似ても似つかない程強い。
【芳一】もまともにぶつかれば瞬殺されるのは間違いない。
ただ、【芳一】にはさらなる上位のコネがあるのでそれも無いとは思う話ではあるが。




