第二十八章31 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)2】31/序列15席3
【芳一】と【美彩】は【シルフィア】の招待を受けた。
警戒しまくっていた【芳一】を余所に、多少、本物を知らない者が提供したなんちゃって感はあるものの毒の盛られていない【宮廷料理】や【舞踏会】、【オーケストラ】などのもてなしがあった。
それはそれで、【芳一】は【宮廷料理】など食べ慣れていないので四苦八苦したが、それはそれで、貴族をもてなすと言うやり方は大体あっている。
【芳一】としても責める要素の無い振る舞いだった。
それでも疑う【芳一】に対して、【シルフィア】は、
『誤解しないでいただきたい。
私は自分を悪だとは思っていない。
ただ、あなた方の立場からすれば、私は悪という事になる。
それは立場の問題だ。
人間に例えれば、戦争では一方の国での正義は相手の国にとっては悪になり、その相手の国にとっての正義は別の国の悪になる。
そう言う問題だ。
確かに私を慕って、私のために自爆テロを起こす者も数多く居る。
だが、それは私が望んでいることではない。
【存材(人材の様なもの)】は大切だ。
私のために自爆して死んでもそれで終わりではないか。
その後が続かない。
自爆テロを行った者が生きていれば、また別の何かで私の役にたったかも知れない。
そう言う意味では私は自爆テロを望んでは居ない。
私の信奉者が勝手にやっている事だ。
私は私の信奉者の死を絶対に望まない。
死の奉仕は奉仕ではない。
私はそれを止める様に言っている。
それでも死を持って尽くす者が出るのは私の不徳の致すところだ。
私は私のために死ぬ者が出ることは悲しい。
私のために死んで欲しくない。
私のためを思うなら生きて私の生き方に賛同して欲しい。
そう、思っている。
君達とも戦おうとか思っては居ない。
平和的に済むのであれば、それに越したことは無い。
そう、思って居るんだ。
私が悪なのはあくまでも環境がそう、させているだけ。
私とあなた達の立場の違いが私を悪にしている。
それだけなんだ。
現に、私は君達をはめたりしていないだろう?
私に敵意は無い。
それだけは解って欲しい』
と言った。
確かに、【シルフィア】の言うとおりなら、【悪のカリスマ】と言うのも何となく解る。
【芳一】達、【覇王/オーバーロード】と立場が違っていた場合、【覇王/オーバーロード】側にとっての正義から見れば、【シルフィア】は悪になるだろう。
だが、彼女は【贄喰威】の序列15席だ。
それだけで、彼女が善だと断定する事は出来ない。
何かある・・・
だが、それが何か解らない。
【アンサー・クリエイト】でも解けない領域がある。
今回は正にそれだった。




