第二十八章2 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)2】2/序列19席2
【逢美】に対してもそうだが、妻?達と少しスキンシップしなければ【芳一】の精神が持たない。
それだけ、【贄喰威】の調査は【芳一】にとって負担だった。
力で負けている訳ではない。
【贄喰威】達の持つ【悪意】が【芳一】にとっては【毒】なのだ。
力をつけてはいても精神的には無防備だ。
露骨な悪意にさらされて【芳一】は少なからず疲弊していた。
今度調査する【贄喰威】は、序列19位、【大宇宙賊王アクトゥ】だ。
言ってみれば、【宇宙】を舞台にしている【大海賊】と言う事になる。
【海賊】は善人がやるものではない。
総じて【悪党】がやるものである。
【大宇宙賊王】も例外ではない。
【アクトゥ】は、
『【大宇宙賊王】と言えば、お宝をゲットする者だ。
当然、宝は俺様のものであり、てめぇのものじゃねぇ。
【唯野 芳一】、
お前のお宝、【花森 逢美】/【最高宝大商人の大宝壺の精霊】を寄こせ。
そいつは便利なアイテムだ。
俺様のものにしたい。
ぶっ殺されたくなければ黙って寄こせ。
それは俺様のものだ』
と不遜な事を発言してきた。
【芳一】は、
『ふざけるな。
彼女を物扱いするな。
ぶっ殺すぞ』
と言い返した。
【逢美】は、
『ご主人、ありがとうございます。
でも、【逢美】はアイテムです。
【物】です。
この事実は変わりません。
それでも、人として扱っていただいて私は嬉しいです。
だから、【大宇宙賊王アクトゥ様】、私は貴方の物にはなりません。
私は【唯野 芳一様】の物。
他の存在のものではありません』
と言った。
【アクトゥ】は、
『黙れ。
俺様が欲しいと思った時点でお前は俺様のものなんだ。
反論は許さねぇ』
と傲岸不遜な言葉を放つ。
バチバチバチと火花が散っている様だ。




