第二十八章14 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)2】14/序列18席7
【ヴォス】への尋問は続けられた。
【ヴォス】は度々反抗的な態度を取ったが、【運】を変えるぞと脅すと大人しくなった。
だが、またすぐに反抗的な態度を取り、また脅されて大人しくなる。
そう言う意味では学習能力が無いタイプといえるだろう。
犯罪を犯す存在は一様に想像力が無い。
こうしたらこうなるという結果が見えていないから安易に犯罪に走る。
犯罪を犯すという事は表立って行動出来る範囲が狭まっている。
その事実に気付いていない。
人間の世界で例えれば、人を殺す行為をしたとする。
そうなると警察から逃げなくてはならない。
そうなると定職にも就きにくい。
逃亡しなくてはならないから普通に勤務する事が出来ない。
今はリモートワークがあるが、昔はそんなもの無かった。
また、証拠が現場に残されている可能性もある。
証拠隠滅をしなくてはならないが実行犯は必ず、自分が犯人だという証拠をポロポロ残しているものである。
中途半端に頭の回る者だと逆に、心配で気苦労が絶えないだろう。
今は防犯カメラも至る所にある。
逃げても防犯カメラリレーで捕まる。
警察が本気で犯人を捕まえようとしたら数日で捕まる事も例外ではない。
そう言う多くのリスクを背負う事にある。
捕まったら罪に問われるし、裁判や収監での拘束時間も発生する。
したいことが他にあった場合出来なくなる可能性が非常に高いのだ。
つまり、全く割に合わない行為なのだ。
復讐のためだったは百歩譲って解らなくもないが、自分の快楽のためだけにやればその後の人生全てを棒に振る事になる。
それを理解する想像力が無いから安易に自分の欲望のために犯罪を犯すのだ。
基本的に犯罪者はバカで愚か者なのだ。
それは人間では無く、異形達にも当てはまる。
異形には異形のルールがある。
それを犯せばそれを取り締まっている存在から追われる事になる。
バカにはバカ用の対処法がある。
【芳一】は、【ヴォス】と言うバカに対して、こうすればこうなると言う事を実験的に繰り返し、【ヴォス】の成り立ちを理解して言った。
正直、こういうバカの相手は時間の無駄だし、実りがないと思っている。
それでも、【覇王/オーバーロード】殺しの下手人を見つけるためには相手にせざるを得ない。
【ヴォス】は、その中でもマシな方と言えるのかも知れない。
運の良さだけでここまで上り詰めた様な悪党だからである。
【贄喰威】の序列18位、【悪運のヴォス】の調査は続くが中継は以上となる。




