4月25日 ぷりん
「なんじゃそれは...茶碗蒸しじゃないじゃろ。なんじゃ」
うるさいな...
大きい声に苛立ちながら振り向くと目を輝かせた漱印がいた。
「何?別にプリンだけど」
「ぷりん...ぷりんってなんじゃ?」
「卵を使ったお菓子だよ、知らないのか...」
知らぬと言いながらプリンから目を離さない...
「ほしいの?」
「ほしいの!」
「1つしかないからあげない」
なんじゃととか神じゃからお供えせよとか聞こえるが聞こえないふりだ。
「聞こえとるなら少しくらいくれても良いじゃろ」
顔をふくらませながら抗議してくる神がどこにいるやら...ここにいるか。
「ほんの少しで良いから...な」
諦めずに首を傾げ、ねだってくる...女だったら可愛いとか言ってあげたりするのかもな。
「む...くれぬのか...」
拗ねたフリをしてるが、目はプリンから離れない。
このままずっと言い続けそうだ...
「分かった、残りはあげるからもう...」
静かにしろという前に皿ごと取られた。
「ぷりん...ぷりん」
嬉しそうに眺める姿に小言を言う気が失せた。
まあ、そこまで喜ばれたらいいや
チマチマ食べる漱印の隣で仕事の準備を始めた。