10月31日 はろうぃん
「トリックオアトリート!」
「…はいどうぞ」
「ちぇ飴用意してたか…」
「とりっくおあとりーと?」
「漱印ハロウィン知らないのか、意外だな」
「はろうぃん?」
「ハロウィンってのはお菓子貰えないとイタズラするぞって言い回ってお菓子貰うってイベントだぞ、きうに言ってみ」
悪知恵を入れないでもらいたいな
「きう!とりっくおあとりーと!」
「…飴でもいいよね」
手を突き出されたから飴を渡した。
飴を貰って喜ぶ漱印を横目に霧島に早く帰れと手を振った。
「こんにちは」
「こんにちは香取さん」
「小夜ちゃんこんにちは、とりっくおあとりーと!」
「え、そういえば今日ハロウィンだったっけ…ごめんなさいお菓子持ってきてないの」
「いや、悪いのは霧島だから謝らなくても大丈夫ですよ」
申し訳なさそうにしている香取さんに思わずフォローを入れた。
漱印もバツが悪そうに目を伏せている。
こっそり受付を出て香取さんの後ろに立ち服を弱く引っ張った。
「香取さん、これポケットに入れてください」
俺の行動を理解してポケットに小さいチョコを入れた。
「あ、そういえばチョコレート持ってたかも」
「ほんとかの」
渡されたチョコを見て喜ぶ漱印に2人で安堵した。




