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4月19日 あまおと

昼間ぽつぽつとした小雨だったのに今はザーザーと音を立てている。


「雨じゃな」

青紫色の瞳を輝かせた漱印に目を向けた。


雨好きなのか...


「雨を司る神じゃからの」

「雨音が好きな人たまにいるけど雑音じゃないか」

「そうかの...一定の音が心地よいと思うのじゃが...わしは気に入っておる」


止む気配のない雨を眺めていると赤い傘が目につく。


今日も来たのか。

ここ数日祈りに来る女子高生に挨拶をした。


「こんにちは」

雨音で聞こえにくかったが、小さい声で帰ってきた。


「お主も十分小さい声じゃよ」


...余計なお世話だ。


─お母さんが早く帰ってきますように─


「うーむ...まだ叶わぬのか...わしに癒しの力があれば...」

苦い顔をする漱印にそうだなと呟く。


「何か言いましたか。」

慌てて声がした方に振り返るときょとんとした表情をした参拝者がいた。


「いえ、何もございません。何かお求めでしょうか。」

危ない...いつもは参拝してすぐ帰るから気づかなかった。


健康祈願のお守りを紙袋に包み、200円と紙袋を手渡した。


良くなりますようにと言ったが、雨音で消えただろうな...

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