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10月16日 でんしゃ

「この電車は急行かしら」

「急行ですよ、どうしました?」

「急行なの、だからこんなに早いのね。ここの駅止まるかしら?」

「えーと…止まらんみたいです。すんません僕出張で来たので詳しくないんですよ、ほんますんません」

…大丈夫かな、あのおばあさん

少し遠出するのに電車を使っていたら不安にさせる会話が聞こえた。

かと言うおれも半年過ごしてある程度分かるくらいだからな…

「ふむ、その駅は違う路線のものじゃとあの人が言ってたぞ」

知らぬ間に声を掛けに行った漱印に目を見開いた。

「そうなのね、ごめんなさいね、いつもはお友達と一緒に乗るのだけれど…今日は私だけなの。どの路線に乗ればいいか教えてくださるかしら」

一応教えたけど大丈夫かな…

「お兄さんありがとうな、僕分からんかったから助かったわ、僕次降りなあかんから堪忍な」

俺も次に降りるのだけど…大丈夫か?

「私は次降りればいいのかしら」

「3駅先ですね…名前複雑ですけど…」

「きう、きう」

小さく呼ぶ漱印の方に寄るとおばあさんに道案内しようと提案された。

「え…申し訳なく思うんじゃないの」

「心配なのじゃろ?時間があるし良いじゃろ…わしも心配じゃし」


結局本来の降りる駅を乗り過ごしておばあさんについて行った。

「ごめんなさいね、この辺りは分かるわ。お礼をしたいのだけれど…お茶はどうかしら」

漱印は行きたそうだけど店が閉まっても困る。

「大丈夫ですよ、僕たちはここで失礼します」

少し強引に漱印の手を引き駅に向かった。

「人助けは良い物じゃろ?」

まあモヤモヤしてたのはそうだけど…

悪くは無いなと零した。

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