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9月10日 かぜ
喉が痛いな...
少しぼんやりしながら朝食を食べていると
「お主、顔が赤いぞ。大丈夫か」
心配そうに見てくる漱印。
「大丈夫、少しぼんやりするけど」
「喜雨、具合悪い?熱測ろうね」
体温計で測ってみると38度だった。
「学校行って上がったら大変ね...今日は安静にしてね、学校に連絡してくるわね。」
そう言っておばあちゃんは居間に向かった。
「体が火照る以外に何か不調はあるか?そういえばぼんやりすると言ってたのう...」
「んーあと喉がちょっと痛いかな」
「そうか...受付はわしがやるから大丈夫じゃが...病は直せぬのじゃ...」
しょんぼりとする漱印の頭がいつもよりも小さく思えた。
「どうしたのじゃ」
何故か漱印の頭を撫でていた。
「さあ、どうしてか分からないけどそこに頭があったからかな」
無心に頭を撫でているとおばあちゃんが帰ってきた。
「あら、喜雨ご飯食べづらかったかしら。お味噌汁だけでも食べようね、お米はおにぎりにするから大丈夫だからね」
お味噌汁だけ置いて他のものを台所へ持っていった。
少し申し訳ない気持ちがあるけど、甘えようか...




