9月7日 そなえ
「今日風強いな」
「台風が来るからかしらね」
「台風か...ふむ、珍しいのう。」
「珍しい...たしかに珍しいか。普通は7月、8月に台風来るイメージだ」
「9月もあるけど、ニュースになるくらいの強い台風はあまり無いね。喜雨も、漱印も用心しようね。」
境内のつむじ風を見ながらそんな話をした。
「台風が来るなら神社も閉めないとだな」
「結構強いの?」
「うむ...台風が通った所が酷いようだからな。家も窓ガラスが割れない工夫をしなければ」
そう言いおじいちゃんは慌てて家へ向かった。
「雨水どうしたのじゃ」
「台風の備えしに行った」
「そうか...そんなに台風が怖いのか...」
「怖い、怖い人もいるかもな...怖いというよりか木が倒れたり、電車とかの交通機関が動かなくなる方が嫌だと思うけどな」
「外出で危険っていうことかのう。確かにそれは危ないのう」
納得してもらえたようだ。
「わしなら何か出来るやもしれぬ」
何かって何をするんだよ...
「それは...雨を降らないようにするとか?」
明後日の方向を見ながら頼りにならないことを言ってる。
...聞かなかったことにしよう
俺も台風の備えをしにおじいちゃんの所へ向かった。




