8月20日 げりらごうう
「急に降り始めたな」
天気予報では雨から曇りに変わると言ってたのに、バケツをひっくり返したような豪雨が降っている。
「わしは嬉しいのう、お主はどうか知らぬが...」
雨が好きな漱印は嬉しいだろうな、俺は...どうだろう
「世間の主婦は急な雨は嫌だろな...主婦だけじゃないか...」
「お主はどうなのじゃ、わしはお主に意見を求めてるのじゃ」
俺、俺は雨が好きじゃなかった。今は嫌いじゃないくらいなのかな...理由は分からないけど
「そうか、そうか」
嬉しそうな漱印から思わず目を逸らした。
「そういえば漱印って雨を降らすことはできるけど、弱めることはできないの」
できるわけないかと思いながら聞いた。
「お主、さてはわしを甘く見てるじゃろ。できるわい」
少し小馬鹿にしてしまったか...お菓子でもあげたら機嫌直るか...
「まあ、お主があげたいと言うのなら貰うがのう」
チョロ...いやなんでもない、機嫌が直って良かった
「仕方ないのう、お主は雨が強いと困るのなら、弱めても良いぞ」
こちらをチラチラ見ながら言われても...
「じゃあお願いします、雨弱めてください」
そう言うと手をパンと鳴らすと、さっきまでの激しい雨音がパラパラと変わった。
神って意外と単純なのか...空を眺めながらそう思った。




