8月17日 しゅくだい
「きう、頼む。宿題手伝ってくれ」
「嫌です。頑張ってください。」
何度繰り返しただろうか...
夏休みが残り1週間となり、二学期に向けて予習をしようかと教科書を開いていると、何故か嫌な予感がした。
薄目をしながら境内を見ると、こっちに向かって走ってくるやつがいた。
そいつは俺の名前を大声で向かってくる。
「きう、宿題終わっているか!」
「藪から棒ですね。...どうしてそんなこと聞くんですか。」
「その返答は終わってるってことだな。頼む宿題手伝ってくれ」
確かこんなことがあったような...あったからこうなってるのか...
「なあ、きう。お願いします、手伝ってもらえませんか」
こいつの敬語は虫唾が走るな...
「どうしたのじゃ、ん?こんにちは。何やら切羽詰まっているようじゃのう。相談ならわしが聴いてやろう」
あ...終わったな...
漱印の声に思わず頭を抱える。
漱印ならこいつの方に加勢するだろうと落胆していると
「それはお主が悪い。喜雨に助けを求める前に自分の力で解決すべきじゃ。早く帰って宿題を少しでもやるのじゃ」
え...漱印?
「う...それもそうだな...ごめん、きう。俺頑張る、それじゃ」
そう言い、颯爽と帰って行った。
「...どうして、向こう側に行くと思った」
「流石のわしもこればかりな...お主は悪くないじゃろ、わしは若葉ちゃんの所にいくからの、またな」
漱印も居なくなった。
なんだか不思議な気持ちになった...




