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7月30日 ぎもん
そういえば香取さんっていつまで来るのだろうか...
参拝者が少ない神社のお手伝いだからか、夏休みの宿題が捗り少なくなった。
「酷いぞ、お主」
こっちをじっと見る漱印に目をやる。
「事実だろ......漱印は香取さんのお母さんどうだと思う」
「事実か...小夜ちゃんのお母さん?どうしたのかの」
「もうすぐ退院してもって思って漱印どう思う」
「え...うーむ、お主心読んでおらぬのか」
「香取さんに失礼だろ、なるべく見ないようにしてる」
「そうなのか、じゃあ知らぬのか」
なにがと言う前にしまったと口から零れた漱印にまくし立てる。
なかなか口を割らない漱印に苛立っているとこんにちはと声が聞こえた。
「香取さん、こんにちは」
「小夜ちゃん!いい所に...」
颯爽と香取さんの後ろに隠れる漱印。
え、どうしたのと困惑してる香取さんに良心が痛む。
「良心なんてなさそうじゃが...」
「何か言った」
じっと見ると目を逸らされた。
香取さんには申し訳ないけどと上を見る。しかし何も浮かんでいなかった。
どうしてと思いながら下を見ると漱印は手を合わせていた。
何かあるのだろうか...




