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6月21日 いやなもの

「そういえば夏休みはどうする、喜雨」

「どうするって何が」

「一度家に…いや、なんでもない」


家、と言われて思わず睨みつけてしまった。

おじいちゃんが悪いわけじゃない。ただ家に帰るということは父親に会わないといけない、それが顔に現れてしまっただけだ。


「そんなに自分の家が気に入らぬのか」

「何、藪から棒に。まさか聞いてたの」

「そのまさかじゃ。」

「別に特に意味は無いよ、深堀しても意味無いし」

「ふむ、なるほどな」

なんだ、何が分かった。

「父親とは関係が悪いこと、その事について深堀されたら辛いことかの」

なんで今日土曜じゃないんだろ、休日なら人少しくらい増えるのに…

「そんなこと言うでない。これ以上掘らない、約束する」

信用できるかと思ったけど、漱印が真っ直ぐ見つめてくる。


漱印の目って人とは違うんだな…そんな事を考えていないとなぜだか飲み込まれる気がした。

「夏休みなら、小夜ちゃんをバイトに雇うのはどうじゃ」

「え、気まづくなるから嫌だ」

なんでと訴える漱印に嫌という俺の攻防が静かな境内に響いた。

なぜだか救われた気がした。

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