6月3日 かえる
「今日も良い雨が降っておるの」
「仲直りしたんですね、安心しました。」
─よかった、元気そう─
知らぬ間に心配かけてたのか…
漱印と香取さんが笑いあってる…当たり前と言われたらそうだが仲良いな…
「久しぶりじゃからのう」
相変わらずだな…
「お主もちゃっかり小夜ちゃんの心を読んどるじゃろ」
不可抗力だ…
「どうしたの?どこか調子悪い…」
「え、全然。むしろ元気じゃ」
─むしろ空元気ぽくて元気なさそうだけれど…まだ休まないとダメなんじゃ…─
「本当に大丈夫じゃ。それに今日は雨音をもっと楽しめるものを持ってきたのじゃ」
「雨音?」
思わず香取さんと重なった。
いたずらっ子のような顔で何か手を開くと
ゲコゲコと緑の小さいものが過ぎる。
「カエル?」
「そうじゃ、蛙じゃ。梅雨の時期になるとコイツの声を聞きたくなるのじゃ」
しみじみとカエルを撫でる漱印。それにしてもカエル多くないか。
視界だけで5匹いる。この神社のそばに田畑は無い。
「カエル何処から持ってきたんだ?」
「内緒じゃ」
にししと笑っているが、香取さんの反応がない。
「今すぐ返してきなさい」
境内に怒号が走る。…やっぱり怒るよな
漱印と顔を見合せ、すぐにカエルの回収作業を始めた。後ろから強い視線を感じながら…




