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11月16日 すてんどぐらす
「この前はお主に付き合ったからな、ワシに付き合え」
いや、漱印が勝手に着いてきたんじゃん
そう抗議したけど流され、結局散歩に付き合うことになった。
「どこに向かってるの、こっちの方来たことないよね」
「この前、小夜ちゃんに教会のステンドグラスが凄く綺麗だって聞いてのう。見に行きたいじゃろ」
見に行きたいのは漱印なんじゃ
「なんじゃ悪いか」
「そもそも宗派というかそういうの大丈夫なの」
「ここは日本じゃぞ、細かいこと考えるのは野暮じゃ。おお、ここじゃ行くぞ」
色々言い合ってるうちに到着したようだ。
早速入るとステンドグラスに夕日が入りキラキラと輝いている。
「すごく、きれいじゃな」
赤、青、緑とカラフルなステンドグラスに光が当たって床に模様が浮かび上がっている。
違う場所にもステンドグラスが飾られているけど、夕日が当たらず暗いけど宗教画のような繊細な細工が施されていて綺麗だ。
「ここ4方向にステンドグラスが飾られているようじゃ、凄いのう。また来よう、約束じゃ」
そう言って小指を出した。
俺は何も言わずに小指を絡めた。




