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11月7日 りっとう
「喜雨、朝ですよ。起きてください」
おばあちゃんの声が聞こえて薄く目を開けると、まだ薄暗かった。
「今何時なの」
「もうすぐ7時になりますよ」
冗談だと思いながら時計を見ると長針が12にかかりそうだった。
「まだそんなに明るくないのに。それに目覚まししっかり掛けてたのに気づかなかった」
「油断してしまいそうですよね、朝ごはんできてますよ」
そう言っておばあちゃんが出ていった。
窓を見ると、オレンジ色の朝日が眩しくて目が覚めてきた。
そろそろ起きるかと布団から出ると、思ってたよりも寒くて体が震えた。
シャツに着替えるのも嫌になるな
仕方ないと思いつつ制服に着替え、お湯で顔を洗った。
鞄を持って居間に行くとお味噌汁の良い香りが漂ってきた。
「朝の味噌汁がより美味しく感じる季節になるね」
「今日は立冬なのでこれから冬になりますからね、風邪にならないように気をつけましょう」
立冬聞いたことあるけど…冬になることなのか
湯気が立ってる味噌汁がやけに美味しそうにみえた。




