199/206
11月4日 かきあげ
「美味しいのう、寒くなった時のかけうどんが良いんじゃ」
その気持ちはよく分かる
おじいちゃんのリクエストでうどん屋に来た。
俺と漱印はかけうどん、おじいちゃんは月見うどん、おばあちゃんはきつねうどんを頼んだ。
せっかくだからと大きいかき揚げを追加してくれた。
手の大きさくらいのかき揚げで食べ切れるか自信が無いからと、俺と漱印と半分にした。
「上に乗せる?お皿取ってくる?」
「流石のわしもお主の分までは取らんよ。カリカリも良いからのう、このままで大丈夫じゃ」
俺もカリカリの方がいいからお皿に乗せたままかな
人参やサツマイモを細切りにしたもの、玉ねぎまで入って食べ応えがある。
初めはかき揚げのまま、その次はかけうどんの出汁に付けて天つゆみたいに味わう…
これが美味しいんだよな、うどんもモチモチしてて美味しい。
思ってたより味わって食べていると、おじいちゃんとおばあちゃんは食べ終わっていたからか微笑んでこっちを見ている。
ちょっと照れくさくなって食べるスピードを上げ始めた。




