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9月11日 とんぼ
もう夕方か、ちょっと前まで5時くらいでも昼くらい明るかったのに
赤くなった空を眺めながら帰っていると何か横切った。
横切った先を見ると赤トンボが飛んでいる。
赤トンボを見てると何故か童話が頭に流れてくるんだよな、歌詞曖昧だけど
ぼーっと赤トンボを眺めていると何匹か集まってきた。
漱印だったらどんな反応するんだろな
そのまま少し赤トンボを観察してたら、オニヤンマやギンヤンマが飛んできた。
確かに緑があるけど、そこまで虫が飛んでくると思ってなかったから少し感心した。
そろそろ帰るか、漱印の散歩の習慣がうつったのかもな
「ただいま」
「おかえり!お主トンボ見たか?もう秋じゃのう」
「漱印と同じこと思った、なんかいやだな」
「嫌とはなんじゃ。わしと同じことを思った?」
不機嫌になったかと思えば、不思議そうに首を傾げて、ニヤニヤし始めた。
忙しいやつだな
「もうこんな時間か、今日は片付けだけ手伝う。おばあちゃんに言いに行ってくるから受付しといてね。それじゃあ」
後ろから何か言ってるけど聞こえないフリをした。




