8月15日 しんぷる
「珍しいのう、フライパンから取って分ける食事はいつぶりじゃ」
「そうか?半年くらいじゃないの」
「それは鍋料理じゃ、わしはフライパンでと言ったぞ」
それはそうだけど
それに硬めのパンってのも珍しい
いざテーブルの真ん中に置かれたフライパンを見てみると熱々の料理が出された。
これもしかしてアヒージョかな
ローズマリーみたいなハーブや丸まったエビ、ドライトマトが入っている。
「きう、これはなんという料理じゃ?わし見た事ないぞ、それにこの葉っぱは食べていいものか?」
「これはアヒージョっていう食べ物で、これは香り付けのハーブだから食べても苦いだけだと思うよ」
「あひーじょ…聞いた事がないの。それに香り付けとは中々洒落た食べ物じゃ、どうやって食べるのじゃ」
「このパンをちぎって浸してから、スプーンで具材を乗せて食べるんだ」
そう説明するとパンの先っぽにオリーブオイルを浸して具材を控えめに乗せている。
流石に初めてだからか漱印でも慎重になるのかな
おれも見本で見せたパンを食べると、オリーブオイルの香りが鼻を抜け、パンに染み込んだオイルがニンニクと唐辛子のピリっとした辛味が美味しい。
漱印も気に入っているようだ。




