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6月22日 かにかま
「カニカマも買うものリストに入ってる」
「かにかま?」
「カニカマ知らないのか。蟹味はしないけど見た目が蟹っぽい食べ物。漱印ってたまに知らないものあるよね」
「60年前より前じゃないと難しいの」
60年前より前って1世代くらいの時代飛ばしてないか
「じゃあこのお菓子とか知らないの」
「それは食べたことあるから知ってる」
なんというか流石だな
相変わらず漱印は毎日少しずつお菓子を食べているようだ。
「カニカマ美味しいよ、多分漱印好きだと思う」
「なんじゃと、少し多めに買ってはくれぬか」
目を潤めさせて頼み込んでくる漱印に少し呆れるけれど、初めて食べるなら多めに食べてほしいという気持ちもある。
「分かった。少しだけ多めに買うか」
「ホントかの」
凄く珍しいものを見る目でこっちを見てくる。
「なに」
「だってきうはいつもダメって言うじゃないか」
「初めてなら多めに食べてほしいだけ」
「そうか、嬉しいのう」
嬉しそうに目を細める漱印に提案してよかったと思った。




