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6月10日 はとどけい

ポッポーと間の抜けた鳴き声が店内に響いた。

「なんの音じゃ?」

「壁にある大きい時計だよ、あれ鳩時計なの」

「ほう、鳩の鳴き声がするものなのじゃな。前に来た時は聞かなかったの…前は無かったかの?」

「いや私が小さい頃からあったよ」

「あったのか、前に来た時は鳴ってなかったような気がするが」

「5時になったからかな」

「何時と決まっておるのか?」

「たまに来たときに何時なってるのか気になってみたら、奇数の時間になったら鳴るの」

「ふむ、2時間ごとに鳴るのか気づかぬものじゃ」

鳩時計って言われてみたら初めて見たな

思わずじっくりと観察していると横から視線を感じる。

「漱印何か用があるの」

「珍しく食い入るように見ていると思っての」

「時計はどこでもあるけど、鳩時計って鳩の鳴き声がするから設置しにくいかなと」

「そういうものか、あまり時計を詳しく見たことがないからか。わしはこういう温かみのあるものが好きなのじゃ」

そう言ってもう一度鳩時計の鳩を見たいと駄々をこねる漱印を慰める羽目になったという。

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