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6月7日 せんたくもの
「久しぶりの晴れねえ、手伝ってくれてありがとう」
「どういたしまして。昨日洗濯干せないだけでも結構溜まったんだね」
重たかったカゴが空っぽになった。
いつもであれば、休日には掛け布団が干されるのに昨日、一昨日と雨だったため、あまり着ないが大きい衣服を干している。
「コインランドリーに持っていけば良かったね、あとは家で干すってのも良かったね」
「コインランドリー使ったことあるの?」
「おじいさんと2人だったからね、喜雨と漱印が増えたのに昔の感覚で放置してたら駄目ね」
「漱印の分もあるの?俺の分もあるけど…それじゃあ2倍くらい洗濯物の量増えたよね。いつもありがとう、休日ぐらいしか手伝えないけど手伝うね」
「気負うような言い方になったけれど、喜雨や漱印と過ごせるようになってとても嬉しいし、楽しいのよ。その気持ちだけで頑張れるわ。それじゃあまたお手伝いお願いしようかしら」
優しく微笑みながらそう言われて何だか気恥ずかしくなった。
視線を逸らすと気持ちよさそうに洗濯物がたなびいていた。




