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6月1日 てんきのはなし
「そういえばさ漱印って雨降らせるっていうけどしないの」
「お主雨好きじゃなかったじゃろ」
「雨好きって人聞いたことないけど…それに雨音があんまり好きじゃないだけ」
「似たようなものな気がするが…それにしても急にどうしたのじゃ」
「ニュースの天気予報見てたら100%とか50%とか確率出てるけど、大体50%なら折りたたみ傘は持っとけって言われるでしょ。いっその事100%って言えばいいのにって」
「それで50%のときにわしが雨を降らせばって話か、そういうことをすると雨が増えて日本の土地が悪くなってしまうぞ。それに作物にも悪いし、人にも悪いからの」
「そういうものなの?」
「そうじゃ土壌が悪くなるのじゃ、それに川が氾濫を起こして危なくなるのじゃ」
「じゃあ50%とかでも雨降らないと嬉しくなるものなの」
「それは……わしは嫌ではあるが、雨は時々降るくらいがちょうどいいと思うのう」
「なんだかごめん。漱印も色々考えているんだね」
「わしは別にいつも雨を降らしてる訳じゃないぞ」
キョトンとした顔でそう告げた漱印に呆気にとられた。




