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5月14日 まーまれーど
「喜雨おはようございます、この前にお姉さんにマーマレードを貰ったの。朝ごはんパンだけどいいかしら?」
「珍しいねどんなやつ」
「これですよ、送ってもらって美味しいやつですよ」
すごいニコニコしながら瓶を見せてくれた。
スーパーに置かれてるやつじゃないな
「やっぱり珍しいかしら、お姉さん太っ腹に2つも送ってくれたのよ」
「そのお姉さんっておばあちゃんのお姉さんだよね」
「そうですよ、喜雨の話をしたら食べ盛りの高校生だから食べてと送ってくれたの」
おばあちゃんってたしか愛媛県だったっけ
「話しすぎたわね、急いで朝ごはん用意しますね」
いいキツネ色のパンの上にみかんの皮が入った甘酸っぱい蜂蜜色のジャムを惜しげなく塗った。
「いいの?良いやつなら少しずつ食べる方が…」
「漱印にはないしょですよ拗ねますから」
指さし指を立てておちゃめに返事をする。
じゃあと遠慮なく頬張ると砂糖の甘みというよりも甘いみかんの風味がして驚いた。
食べ進めるとだんだんあとの甘さが蜂蜜が使われていて後味に大人っぽい苦味が締めてくれる。
すごく贅沢だなとギリギリの時間まで堪能した。




