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5月5日 ちまき
「そういえば今日はこどもの日じゃな」
「なに急に」
「べつにー」
何かあるのか
GW後半に差しかかったというのにわざわざ気にするとは思えない。
「こどもの日だから何かあるとかあるの」
「お主の日じゃなと思ったからの、おめでとう」
「それって小学生くらいの子供を祝うものじゃないの、もう高校生だから違うと思うけど」
「そういうものか?じゃあ端午の節句の方かの、前に桃の節句があったから次は男の子の成長を願うものじゃ」
そういうものかな
腑に落ちない感じが残りぐるぐる考えていると、おばあちゃんがお皿に笹に包まれた細長いものを乗せている。
「おばあちゃんそれってちまきだよね」
「そうですよ、今日はこどもの日だからね休憩のときにおやつにどうぞ」
お皿とお茶を置いてくれた。
「もしかしてこれ食べれるかなとか考えてたの」
「そ、そんなことはないぞ」
嬉しそうに紐を解いていたのにそう聞くと手をぱっと離した。
笹の葉を広げると真っ白で細長いお餅がでてきた。
ほのかな甘さにもっちりとした食感が美味しい。
少しの休憩が少し豪華に感じた。




