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4月20日 みちばた
「春はいいの〜暖かいし、花も沢山で散歩が楽しい」
ご機嫌な漱印に連れられて商店街に向かっている。
「タンポポ、エンドウ、あれはなんじゃろよく見る物ではあるが…」
急に走って花に近づくとしゃがみこんだ。
春らしい小さな青い花が咲いてとても可愛らしい花だった。
「お主は分からんな、すまぬ忘れてくれ」
相変わらず失礼なやつだな、まあ分からないから何も言えないけど
「小夜ちゃんなら知っておるかの」
「女性だから?んーおばあちゃんなら知ってるかもしれないけど」
「聞くだけ聞いてみるかの」
香取さんにすごく悪い気がするんだけどな
「え、道端に咲いてる小さい青い花の名前?んー小さい青い花ならネモフィラくらいしか知らないな…道端に咲いてるなら違うかな」
やっぱり漱印止めたら良かったな
店番をしている香取さんが頭を悩ませ始めた。
「小夜ちゃん、すまぬわしも知らないことを聞くのは酷じゃったの」
「いやいやこっちこそ無知でごめんなさい」
「香取さんは無知じゃないと思いますよ、勉強会いつも助かってますし」
漱印の頭をはたきながら謝った。




