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5月7日 べんきょう
「何してるのじゃ」
何って勉強してるのだが...
来週から中間テストが始まる。テスト一週間前だからと言って神社の手伝いが無くならないとは...
「参拝者が少ないから良いじゃろ。教科書とやらを読んでいても責める者も居ぬ」
確かにテスト前だから勉強に集中したいと主張したが、そんなに人来ないからとやんわりと断られてしまった。
実際の所ここ数日数えられるほどの参拝者しか来なかった。
「勉学に励むのは良い事じゃ、じゃが話し相手がいなくなるのは寂しいのう...」
何が寂しいだ反応しなかったら周りを歩き回ったりこっちを覗き込んだりで集中できなくなるだろ...
色々文句を言いたいところだが、漱印の策に乗ることになる。
そんなことを考えている時点で負けている気がして、慌てて日本史の教科書を食い入るように読み始めた。
「喜雨、晩御飯の支度済んだぞ。休憩せずに勉強してるのか、偉いぞ」
ふと顔を上げると境内が暗くなっている。
漱印邪魔してこなかったのか...
いつまで経っても付いてこない俺に不思議がるおじいちゃんに慌てて付いていく。




