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4月2日 よみきかせ
あれ、漱印どこ行った
借りたい本が無いか軽く見て、結局学校が始まってから借りると結論づけた。
そろそろ帰ろうと漱印が居そうな場所に向かったがすれ違いもしなかった。
歴史書ばっかり借りるからてっきりそれ以外興味無いって思ってたのに
探すあてもなく周辺をぐるぐる回っていると司書に声をかけられた。
「大丈夫ですか」
「あの10歳くらいの髪の白い男の子見ませんでしたか、ここにいると思ってたのですけどいなくて」
「それなら児童図書コーナーの読み聞かせの所にいましたよ」
「そうですか、ありがとうございます」
なんで児童図書に
早足で向かうと珍しく大人しく話を聞いている様子だった。
読み聞かせの本は人魚姫で船の上まで進んでいる。
この読み聞かせが終わってから帰るか
俺も読み聞かせに耳を傾ける。
「人魚姫は泡となりました、おしまい」
少し目を潤ませている子供もいるな
「漱印、帰ろうか」
「うん」
鼻声で頷く漱印にそっとティッシュを渡した。




