3月30日 ウソのなぞ
「そういえば香取さんってこの店の名前の由来って知ってるの?」
「え?急にどうしたの」
「前になんで『ウソ』って名前なのかなってもっと喫茶っぽい名前あるのにって話してたんだ」
「あー確かにウソって言われると嘘っぱちの嘘が思いつくもんね」
「むしろ違うの」
「違うよ、昔に聞いたことだけど、『ウソ』って鳥の名前だって。ここの店主福岡出身で周りと違う名前にしようと考えてたときに思い立ったんだって」
「なるほどな…まあ木製の雑貨とか動物の名前とか外国語とか、喫茶店の名前によく使われてるし他と被らないものってなかなか無いか」
俺も気になっていたから霧島が聞いてくれて良かった。
「そう考えると趣深いの」
「変なこと言ってたよね2人とも、何か食べたら」
「きうは何もしてないな」
「まあ店内だし、茶化すのも変だと思ったから…2人ともここのお店にもう少しお金落としたら?デザートか何か頼んで」
「まあそれもそうだな、俺らだけってのもあれだから香取さん何か奢るぜー何がいい」
「いや、大丈夫ですよ」
「男2人プリンとかアイス食べるってのも恥ずかしいから頼むよ、助けるってことで」
なんというか霧島は慣れてるな
半ば強引に香取さんにデザートを注文させてる霧島に冷たい目線を送った。




